タロット講座の二つの見どころ
今回の講座には、なかなか他では学ぶ事の出来ない、二つの大きな「見どころ」をご用意しております。その一つ目は、「小アルカナ」のそれぞれの意味を、「エテイヤ・タロット」というツールを使って、しっかりと解釈をしていく所です。
今まで、タロットカードの小アルカナは、「ゴールデン・ドーン」(黄金の夜明け団)の理論や、数秘術などをベースにして解説される事が多かったのですが、ウェイト版タロットの小アルカナに限定して言えば、ゴールデン・ドーンの教義やカバラ理論だけでは、どうしても説明できない部分があります。
それは、ウェイト版タロットの小アルカナは、ゴールデン・ドーンの理論以上に「エテイヤ・タロット」の影響を色濃く受けているからです。
例えば、カップの6というカードがあります。
よく巷にあるこのカードの説明としては、カップは「水」(情緒・感情)の属性を持ち、また「6」という数霊は、生命の樹のパス「ティファレト」に関連しているので、情に関する調和や結合を表わしている。
また「喜び」(Pleasure)という意味も導き出される …というものがあります。
これは、ゴールデン・ドーンの理論をしっかりと咀嚼した、的を得た正しい解釈です。
しかし残念ながら、この解釈を延長していっても、「過去」というキーワードにはたどり着きません。(強引に結び付けようとしている書籍も中にはありますが、どう見ても「強引なこじつけ」としか思えません)
それは無理もない事です。この「過去」というテーマは、エテイヤのカードの意味の取り方を踏襲したものなので、「エテイヤ・タロット」という存在を無視しては、説明が不可能なのです。
この講座のもう一つの見どころは、「コートカードの四元素の対応の正しい解釈」についての言及です。
16枚あるコートカードに、火地風水の四元素の理論をしっかり組み込んだのは、ゴールデン・ドーンでした。
ゴールデン・ドーンは、従来のタロット・カードのコートカードに見られた「キング、クイーン、ナイト、ペイジ」という4種を、「キング、クイーン、プリンス、プリンセス」という形に改変した上で、キングは火に、クイーンは水に、プリンスは風に、プリンセスは地に対応させました。
ところが、ウェイト版タロットのコートカードは、従来の「キング、クイーン、ナイト、ペイジ」というパターンのままです。
これは、アーサー・ウェイトのタロット理論は、完全にゴールデン・ドーンに従っていない事を、顕著に表わした証明とも言えます。事実、アーサー・ウェイトは、ゴールデン・ドーンに属しながらも、団の儀式的な教義になじめず、常に距離を置いていましたし、ゴールデン・ドーンを内部分裂させています。
このゴールデン・ドーンのコートカードの火地風水の対応を、そのまま上から安易にウェイト版タロットに結び付けてしまうと、絵柄とカードの意味に著しい矛盾が生じる事になります。
例をあげてみましょう。
棒のキングは、たまに、「攻撃的で怒りだしたら手がつけられなくなる人」とタロット本で紹介される事がありますが、左の絵を見て頂ければ分かるように、とてもそんな人物を描いているとは思えません。
この矛盾は、「ウェイト版キング=火」という、間違った対応による解釈によるものです。
剣のナイトは「客観的で冷静な才気あふれる若者」と意味づけされる事がありますが、右の絵を見る限り、どう見ても冷静という感じには見えません。
これは「ウェイト版ナイト=風」という、間違った対応が原因による矛盾です。
この巷に広がってしまった間違った解釈について、指摘しているタロットティストもいます。
下記は、英語のサイトですが、参考までにご覧いただれば幸いです。
http://www.lelandra.com/tarotbook/courtcorres.htm
これについては、拙著「タロット占い完全マニュアル」でも言及しておりますが、今回の講座では、ウェイト版タロットにおける、コートカードの正しい火地風水の対応もしっかりと講義に取り入れていく予定です。