2019.06.092019年 ヨーロッパ紀行 第10話 ~古の聖堂は、永遠の時を刻む~

2019年6月9日(日)

 

 (In Budapest Hungary Date  13 May 2019)

 

 ドナウ川に架かる、長いセーチェーニ鎖橋を渡り終えて、僕達4人は、ブダベストの中のブダ地区のエリアに入りました。

 

 

 最初に目に飛び込んできたのは、ブダ城へのトンネルと、王宮の丘に上がる為のケーブルカーでした。

 

 ケーブルカーを使うのも良いけれど、せっかく天気も良くて、気持ちがいいのだから、歩いて上に登ろうという事になりました。

 

 

 …という事で、出発進行!!

 

 昨日のブダベストはかなり暑かったのですが、今日はうって変わって寒いです。

 僕も、あらかじめ日本から持ってきていたダウンジャケット(色は緑)を着ています。

 

 ちなみに、明日の天気予報は、雨が降るらしく、今日よりさらに寒くて、真冬並みの寒さになるとの事…

 5月も半ばですから、日本では、絶対に考えられない事です。

 

 

 それでも、上に登っていく丘陵の坂道は、爽やかな新緑…

 

 本当に気持ちいいです(^^)

 

 とはいえ、この坂道、勾配度もかなりあるし、普段あまり体を動かし慣れていない野尻泰煌先生や僕には、それなりにキツかったですね。

 

 野尻先生は、階段を登る時には、千鳥に歩くようにして、登っていたので、僕もそれをマネして登りました。

 

 傍から見ていると、ちょっと滑稽にも見えるかも知れませんが、こうやって登ると、確かに移動距離は長くなりますが、体の負担は少なくて済むようです。

 

 坂道から右手を見下ろすと、かの「漁夫の砦」が見えました。

 

 

 ずっと坂道を登っていると、息切れがして、暑くて汗が出てきました。

 完全に運動不足ですね(笑)

 

 あんまり暑いので、着ていたダウンジャケットを脱ぎました。

 

 ちなみに僕は、ダウンジャケットの下には、毛糸の服(もちろん、色は緑)を着ていますので、急に寒くなって風邪をひいてしまうような心配はありません。

 

 

 坂道を登り切った所に、ベンチがあったので、少し休みました。

 

 左から、相模泰生先生、野尻先生、僕です。

 

 男性陣は、みんな坂道でくたばっています(笑)

 

 高天麗舟先生だけは元気で、3人が休息している間、さらに坂を登った所にあるお店に行って、おみやげを探していました。

 

 

 しばらくベンチに座って、3人とも体力を回復したので、一気に王宮の丘の上まで上がりました。

 

 王宮の丘には、ブダベストの宝、世界遺産でもある、マーチャーシュ聖堂があります。

 

 

 これが、マーチャーシュ聖堂…

 すごい迫力です!!

 

 余りにも建物が大きくて、カメラに全体が入らないので、うんと離れて敷地のギリギリの端まで行って、撮影しました。

 

 この聖堂は、元々「聖母マリア聖堂」という名前だったそうで、内装はバロック式の豪華なフレスコ画が描かれていたのですが、オスマン帝国にブダが占領されてしまった時に、イスラム教徒のオスマン軍によって、部屋のフレスコ画は、全部白いペンキで塗りつぶされてしまったそうです。

 

 その後、ブダ包囲戦によって、オスマン軍の占領するマーチャーシュ聖堂を、同盟軍が包囲して、同盟軍が建物に向かって大砲を打つと、それが壁に命中…

 

 その時、なんと建物の壁から、壁に隠して埋められていたマリア像がゴロッと出てきたんです。

 

 その砲撃がたまたま、オスマンの兵士達がイスラムの祈りを捧げていた時間だった事もあり、イスラムの祈りの最中にいきなり目の前に現れたマリア像によって、兵士達も驚いて、士気を失ってしまいました。

 

 その結果、オスマン帝国軍は大敗し、ブダはオスマン帝国の支配から逃れられたそうです。

 

 あと、このマーチャーシュ聖堂で有名なエピソードと言えば、オーストリア皇妃エリザベートと皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の結婚式なんかも、ここで行われました。

 

 

 この聖堂の外に建てられた像は、西暦1,000年にハンガリー王国を建国したイシュト・ヴァーンです。

 

 今から一千年前に生きていた、この国の王様なのですね。

 一千年という時間があまりにも漠然として、どれぐらい前なのかがイメージできませんけど…

 

 

 マーチャーシュ聖堂の目と鼻の先にある喫茶店「パノラマ カフェ&バー(Panoramia Cafe & Bar)」で、4人で飲み物を飲みながら休憩しました。

 

 窓辺からは、丘陵の下がパノラマのように見えます。

 なんだか、おとぎ話の世界を、4人で、さまよっているような錯覚を起こしそうです。

 

 

 丘に立って、下を見降ろすと、ドナウ川と川の向こうのペスト地区の街並みが見えます。

 

 こんな高い所、いつもだったら、立っていられないくらい怖いはずなのですが、どういう訳か、今日はあんまり怖くない…

 

 

 きっと、心を許せる素晴らしい仲間が、ここにいるからだと思う…

 

 この日は、普通だったら人には相談できないような悩みを、みんなに相談したりしたんです。

 

 みんなが、心の中を本気で打ち明けてくれるから、僕も、誰にも言えないような話を打ち明けたりしたら、「そんなの普通だよ」とか言ってもらえたりして…

 

 

 人というのは、「自分が理解してもらえている」という事だけで、気持ちが楽になるのかも知れない…

 

 眼下の景色を見下ろしながら、そんな事を、とめどなく考えていました。

 

 国立美術館として、利用されているブダ王宮の前まで来たのですが、おりしも今日は月曜日…

 美術館の方は、お休みでした。

 

 

 国立美術館(ブダ王宮)の前に、馬に乗った勇ましい雄姿をした銅像…

 

「あっ、こんな所にナポレオンが!!」

 と、僕が言うと、高天麗舟先生から「そんな訳ないでしょ」と、鋭いツッコミが入りました(笑)

 

 確かに…

 フランス皇帝・ナポレオンの銅像が、ハンガリー王国の王宮の丘に建てられる訳は、ありませんね。

 

 でも、この手の帽子をかぶって、馬に乗っていると、何でもナポレオンに見えてきますね(笑)

 

 どうやら、これは「ユージン・サヴォイ像(Eugene of Savoy Monument)」と呼ばれている像のようです。

 

 ユージン・サヴォイ大尉は、ブダ包囲戦で大活躍し、オスマン帝国軍からブダを解放に導いた立役者…

 

 まあ、日本人には。あまりなじみがありませんし、ユージン・サヴォイの事を知っている方は、すごい歴史通だと思います。

 

 

 王宮の丘から下を見ると、ハンガリーの街が一望できます。

 

 人の寿命は、せいぜい100年前後でも、もしも我々が人類という単位で、過去を振返ったなら、もう1万年ぐらいの歴史はあると思います。

 

 転生輪廻があるかないかの論議は別としても、人類という単位で言えば、我々はもう1万年位は生きている事になる…

 

古の聖堂は、永遠の時を刻む…

 

 恒久の時を、じっと静かに見守っている古のたくさんの建造物が、過去からのメッセージを、僕らに伝えてくれているような気がしました。

 

 <旅の教訓10>

 人は、自分が理解されている、という事だけで、気持ちが楽になるし、強く生きていける。

 

※「2019年ヨーロッパ紀行」のアーカイブは、こちら

 

もし良かったら、クリックしてください(^^)