2019.06.082019年 ヨーロッパ紀行 第9話 ~ドナウ川の流れ~

2019年6月8日(土)

 

 (In Budapest Hungary Date  13 May 2019)

 

 ハンガリーの首都・ブダベストに滞在して、2回目の朝…

 夜中の3時から、野尻泰煌先生と語り続け、気がついたら、窓の外が明るくなっていました。

 

「ドナウ川に掛かっている橋を渡って、川向こうに行ってみようよ」と、誘ってくださった野尻先生のご厚意を受けて、僕は早速、外出の支度をしに部屋に戻ろうとしました。

 

 野尻先生は、2年前にもブダベストに来ていますから、街の勝手は、だいたいご存知です。

 出掛ける支度をしようとする僕に、後ろから一言…

 

「ドナウ川って、汚いんだよね。あれを見ると、千年の恋も冷めるね。」

 

 えええーっ!!

 ドナウ川って、一体どんなん(笑)

 

 ちなみに、ブダベストという街は、元々、ブダという街とペストという街が合体してできた街です。

 

 そして、そのブダ地区とペスト地区との境界線がドナウ川であり、元々、ドナウ川で分断されていた2つの街に、セーチェーニ鎖橋が架かって一つの街となり、ブダベストとなったという訳です。

 

 昨日行ったセーチェーニ温泉や、我々が住んでいるアパルトマンがあるのは、ペスト地区であり、今日行く予定のマーチャーシュ教会やブダ城なんかがあるのが、ブダ地区となります。

 

 

 今日は、ドナウ川のほとりを川に沿って歩いて、セーチェーニ鎖橋を渡り、川の向こう側へと行き、マーチャーシュ教会などを見学するというスケジュール…

 

 野尻先生と、高天麗舟先生と、相模泰生先生と僕の4人で、ブダ地区の魅力を、思い切り堪能してみようという試みです。

 

 草さんは、今日はタロットカードを探しに、ブダベスト郊外に出るというプロジェクトを観光するらしく、松里さんとヒデ君は、別に予定があるようです。

 

 それにしても、みんなが自分の気の向くままに、自由に旅を楽しめるというのが、また良いです。

 

 という事で、まずはドナウ川に向かって出発!!

 そこから、セーチェーニ鎖橋を渡り、まずは、丘陵のマーチャーシュ教会を目指します。

 

 ドナウ川やセーチェーニ鎖橋は、歩いていけない距離ではないのですが、観光したい場所が山ほどありますから、時間を有効的に使う為に、地下鉄3号線を使いました。

 

 

 アパルトマンの最寄り駅であるコルヴィン街区駅(Corvin-negyed)から、前回、セーチェーニ温泉に行った時と同じように、デアーク・フェレンツ広場駅(Deák Ferenc tér)で降ります。

 

 それにしても思うのは、このハンガリーにある駅のエスカレーター、半端なくスピードが速いです。

 だいたい、日本のエスカレーターの1.5倍ぐらいのスピードですね。

 

 

 これに乗るの、本当におっかないんですけど…

 

 ハンガリーの人というのは、とってもせっかちなのかも知れません(笑)

 

 このデアーク・フェレンツ広場駅は、いわゆるターミナル駅というやつで、地下鉄1号線・2号線・3号線の全てが止まるので、すごく便利です。

 

 駅を降りて、デアーク・フェレンツ通りを、ドナウ川がある西の方向へと進んでいくと、この “巨大なⅩ” のオブジェが、道をふさいでいました。

 

 

 結構、最近になって、ここに設置されたみたいです。

 一体、この「Ⅹ」って、何を意味するものなのでしょう…

 

 高天麗舟先生が「これってきっと、X Japanの事じゃない!!」と、言いました。

 

 いえいえ、それは絶対ないと思います(笑)

 

 でも、X Japanって、結成された時のバンド名は、本当に「X」だけだったんですよね。

 確か、アメリカで、同じ名前のバンドが存在していたという理由で、「X Japan」になったんじゃないかと思います。

 

 金色(こんじき)の “X” の横をすり抜けて、そのまま真っすぐ、ドナウ川の方向へ向かって、歩いて行きました。

 

 世に聞こえたドナウ川とは、一体どんな川何だろう…

 と、胸をときめかせていると、野尻先生がこういいました。

 

「きっと、見たら千年の恋も冷めるよ。荒川の方が、よっぱどきれいだよ…」

 

 一体、ドナウ川は、どれだけ汚れてしまっているのだろう(笑)

 

 

 生まれて初めて見るドナウ川!!

 川の向こう側に、そびえ建っているのは、かのブダ城です。

 

 まるで、夢を見ている気分です。

 確かに川の水は、少し汚れていますが(笑)

 

 4人で、セーチェーニ鎖(くさり)橋を渡って、ブダ地区に行ってみる事にしました。

 

 

 昨日は、セーチェーニ温泉に行って、今日は、セーチェーニ鎖橋を渡る…

 

 「セーチェーニ(Széchenyi)」って、いったいどういう意味なのだろう… と、ふと気になって調べてみました。

 

 どうやら「セーチェーニ」とは、ハンガリーの名門貴族の一つ・セーチェーニ家の事でした。

 

 

 このセーチェーニ鎖橋は、伯爵セーチェーニ・イシュトヴァーンの発案によって、ドナウ川に一番最初に架けられた橋だそうです。

 

 とはいえ、完成した時には、セーチェーニ・イシュトヴァーンは病気療養中で、結局、橋の完成を見る事なく、この世を去ったのだとか…

 

 その後、セーチェーニ鎖橋は改修されたり、戦争で破壊されたりして、現在のこの橋は、第二次世界大戦後の1949年に再建されたものだそうです。

 

 

 セーチェーニ橋から、橋の下のドナウ川を見下ろしてみました。

 

 僕のブログをお読みの方は、もうご存知だと思いますが、僕は、かなりひどい高所恐怖症なのですが、どういう訳か今回は、橋の下を見降ろしているのに、そんなに怖いと感じなかったんです。

 

 というのは、野尻先生も、泰生先生も、二人とも高所恐怖症で、このメンバーでは、「高い所が怖いのは、当たりまえ」という雰囲気…

 

 「怖くて当たり前なんだ」と思えると、人間というのは案外、そんなに怖くなくなるものなのかも知れません。

 

 

 ドナウ川と、これから上る事になるブダ地区の丘陵…

 

 確かに水質は悪そうだし、お世辞にも、あんまり綺麗な川とは言えなさそうです。

 

 ハンガリーの国の中心部に流れ、首都ブダベストを二分するこの川は、三十年戦争を経て、この国が、ナチス・ドイツや、ソビエト共産党なんかに蹂躙される様を、じっと見守ってきたのでしょう。

 

 ハンガリーの国民が流した血と涙が、このドナウ川に流れ込んでいるのかも知れません。

 

 それでも、この川は、時の流れと共に健気に流れて続けている…

 

 そう思うと、僕は、少しだけ濁ったこの川が、何だか好きになりました。

 

 <旅の教訓9>

 怖い事が当たり前だと思えるようになれば、その事は大して、怖くなくなってしまう。

 

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