2018.11.04大峰山の紅葉 ~近畿への旅<5>「大峰山・洞川温泉にて」~

2018年11月4日(日)

 

 早いもので、この近畿への旅を終えて、もうすでに1週間が経とうとしています。

 

 それにしても、今回の近畿の旅は、非日常的な感覚の不思議な旅行でした。

 

 天河神社を参拝して、帰りのバスでIさんに別れを告げて、僕は一人、天川川合の停留所でバスを降りました。

 

 そしてここから、今夜の宿泊先の柳屋がある「洞川温泉行き」のバスに乗り替えるつもりだったのですが、何と、次のバスが来るまでに1時間以上の間隔があるではありませんか…

 

 バス停の近くの天川村総合案内所の人に、「洞川温泉のバスの停留所まで、歩いて行けますか…」と聞いたら、だいたい5kmぐらいの距離で、歩けなくはないものの、お勧めはしないとの事でした。

 

 確かに山道を5km歩いている間に、うっかり道を間違えて、Iさんの言った通りに、迷って動物に襲われたらシャレになりません。

 

 ここは修験道の本場・大峰山ですから、イノシシや鹿だけでなく、熊だっています。

 

 聞いた話によると、熊というのは「森のくまさん」の歌や、くまのプーさんみたいに、のん気に近づいてくるのではなく、まるで家庭用冷蔵庫が、すごい勢いでせまってくるような感じで、追いかけてくるそうです。

 

 ある意味、ボブ・サップと同等、いやそれ以上に熊の方が危険です(笑)

    ボブ・サップさんは、本当は紳士的で優しい人らしい…

 

 だから、熊よけの鈴がないと、山道は歩けないんですね。

 

 そんな事を考えながら、天川村総合案内所の向こう側の道路の壁をふと見たら、修験道の開祖・役小角がレリーフになっていました。

 

 

 総合案内所の方は、とても親切な方で、「洞川温泉までなら2千円ぐらいで行けるので、タクシーを呼びましょうか…」と提案してくださいました。

 

 確かに、この状況で歩くのはあり得ないし、次のバスまで1時間待つよりも、タクシーで行った方が良さそうです。

 

 そのご厚意に甘える事にしました。

 

 10分後、タクシーが迎えに来て、それに乗って洞川温泉にある旅館・柳屋へ向かいました。

 

 

 車窓から見える景色…

 

 タクシーの運転手さんが、洞川温泉の辺りについて、いろいろと教えてくださいました。

 

 「洞川温泉のあたりは、山の頂上に当たるので、山の梺(ふもと)とは、気温が10度ぐらい違うんですよ。昨日の朝なんて、初めて0度を記録したくらいです」

 

 「ええ~っ、そんなに寒いんですか~」

 

 「だから、もう紅葉の見頃なんですよ。洞川の龍泉寺では、“もみじまつり”をやっています。」

 

 「僕は昨日、京都にいて、京都は、まだまだ紅葉が程遠かったのですが、まさか、ここで紅葉が見られるとは感激です」

 

 「どうぞ、ゆっくり滞在されていってください」

 

 車は、どんどん山に向かって登っていきます。

 

 また再び、車窓を眺めると、随分と木々の色が違っているのに気づきました。

 

 

 僕は、昨夜は、あまり寝ていないのです。

 

 溜まっている仕事を少しでも進めておこうと、かばんの中にパソコンを持ち込んでいて、京都のホテルで夜中に頑張っていたら、結局、睡眠時間が3時間半ぐらいになってしまいました。

 その代わり、天河神社へ向かうバスの中で、かなり眠ってしまいましたが…

 

 だから、Iさんから、「くれぐれも無理はしないように、洞川温泉の旅館に帰ったら、すぐに寝てください」と言われていました。

 

 とはいえ、この最高の紅葉を、みすみす見逃す手はありません。

 

 タクシーを降りて、旅館・柳屋で荷物を置くと、カメラとお財布と携帯電話だけ持って、“もみじまつり”の龍泉寺に向かいました。

 

 

 門から、お寺の中に入ってみると…

 そこには、見事なまでに美しい、紅葉の木々のグラデーションがありました。

 

 

 宿泊先をこの洞川温泉に決めたのは、単に天河神社からアクセスが良くて、予算が手ごろだったから…

 

 まさか、この時期に紅葉が見られるなんて、夢にも思っていませんでした。

 もしも、山の上に宿泊先を決めていなければ、この偶然には巡り合えなかったし、たまたまこの時期、山上の気温が平年よりも下回ったから、偶然にこの紅葉と巡り合えたようなもの…

 

 そんな風に考えていたら、感謝の気持ちがこみ上げてきました。

 

 不思議な偶然は、もう一つあります。

 

 今回、僕は、この大峰山に初めて来たのですが、何気に、この大峰山の事について、いろいろと知っていたりします。

 

 それは、「大峯千日回峰行」というものに興味を持っていたからです。

 

 「千日回峰行」というのは、人間業を超える過酷な荒行で、無事に千日間、行を達成すると、大阿闍梨(だいあじゃり)の称号を与えられる…

 

 ちなみに「阿闍梨」という言葉を初めて聞いたのは、今から20年位前に、村野大衡先生が、阿闍梨の風水師さんのお話をしてくださった時…

 

 でも、その時は、「千日回峰行というすごい行があって、それを達成すると、阿闍梨になれるんだ…」ぐらいの認識しかありませんでした。

 

 その後、ひょんな事から、千日回峰行を達成した塩沼亮潤阿闍梨に興味を持ち、本を何冊も購入して読んだりしたのですが、その塩沼阿闍梨が千日回峰行をした場所こそ、まさに、この足元にある大峰山だったのです。

 

 前に一度、千日回峰行の事を、ブログのネタにした事もあります。

(2014/1/24パリブログ 「千日回峰行に比べれば…」 参照)

 

 そんな事を考えながら、龍泉寺を出て、あたりを歩くと、「面不動鍾乳洞」と書かれた看板を見つけました。

 

 

 看板をくぐると、山道が続いていました。

 

 どうやら、鍾乳洞の中へ行くには、ここから片道300円のトロッコに乗って上に行くか、もしくは階段状になっている山道を500mくらい、上に登っていくかのどちらかのようです。

 

 

 500mも、山道を登るのは大変だから、最初は、トロッコに乗る事を考えました。

 

 でも、阿闍梨は1日48kmも毎日歩き続けていたというのに、たった500mが登れなくてどうするんだ… と思い直し、やっぱり歩いて登る事にしました。

 

 

 そのまま、この階段の道を、5分ほど上に上がっていくと…

 

 

 見事な眺めです…

 

 …またしても、重要な事を忘れていました。

 

 僕は高所恐怖症だったのでした。

 下を見ると、足が震えてきます(^^;;

    この時点でもう、絶対に阿闍梨にはなれませんね(笑)

 

 

 それにしても、一瞬、高所恐怖症の事を忘れられるほどの、見事なまでの紅葉です。

    でも、やっぱり下を見ると、ダメです(笑)

 

 

 そうこうしている内に、面不動鍾乳洞に到着…

 

 入場料400円を払って、早速、中に入ってみる事にしました。

 

 

 本当に、自然というものが織りなす景色は、すごいです。

 

 

  「ちりめん天井」の部屋…

  色付きのスポットライトが、見事な演出をしてくれています。

 

 

 ここは、「行者窟」の部屋…

 さすが修験道の発祥の地、大峰山の鍾乳洞です。

 

 

 たくさん、天井から突起が突き出しています。

 すごく幻想的です。

 

 

 「洞穴珊瑚の壁」

  すごく珍しい鍾乳洞だそうです。

 

 

 「ご母堂窟」の部屋…

 たくさんの鍾乳洞の美しさに、とても癒されました。

 

 外に出てみると、あたりはもう、真っ暗になっていました。

 

 

 今夜の月は満月…、きれいに輝いています。

    きっと今頃、みどりん先生から「満月メール」が届いている…

 

 宿に帰る前に、洞川温泉の「みやそい」で、夕食を取る事にしました。

 

 焼きたてのあゆの塩焼や、いわなの塩焼定食なんかもあったのですが、一人の食事だったので、あえて贅沢はやめて、きつねうどんと卵かけご飯を注文にしました。

 

 でも、メニューの中に「大峰山 800円」と書いてあるのを、見つけてしまいました(笑)

 

 せっかくの旅行だからと、ノリで注文してしまったのが、後々になって、悲劇の遠因となる事を、この時には、まだ気づいていませんでした。

 

 

 アルコール度数15度~16度で、この量…

 

 本当は2人以上で盃を酌み交わして、少しずつ飲むお酒ですね。

 

 昨日、3時間半しか寝てないのに、これを1本飲んだらどうなるんだろう…

 

 そんな事を思いながらも、食事をしながら、1本飲み切ってしまっていました。

 

 最後の力を振り絞って、旅館の柳屋へとたどり着き、そのまま布団に滑り込むように、横になりました。

 

 眠ってしまう前に、Iさんに無事に旅館に到着している事を連絡して、せめて、京都の写真のインスタグラムだけはアップしておこうと、布団の中で携帯をいじっていたのですが…

 

 結局、どちらもできていないまま、いつしか意識を失っていました。

 

 まさか、このツケが翌日の朝になって、思わぬ形でやってくる事になるとは、この時には予想もしていませんでした…

 

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