2020.02.29西日本紀行記 ~出雲・山口への旅~<3>古代の女神に導かれて
2020年2月29日(土)
気がつけば、もう2月も終わり…
コロナウィルスの蔓延が深刻で、最近は、そんなニュースばかりが話題をさらっています。
なんと、ウィルスのせいで、確定申告の期限も延長になったのですね。
感染しないように、しっかりと免疫力をつけて、最後の寒さを乗り越えたいと思います。
さてさて、もう3月になるというのに、まだ去年の11月の西日本旅行記は、始まったばかり…
旅行初日の昼食は、宍道湖(しんじこ)の湖畔にある「ふじな亭」で、美味しい鯛めしを食べたのですが、この頃になると、藤尾美友先生の顔も、ILU開運ツアーに参加しているメンバーの顔も、少しずつわかるようになってきました。
さて、ツアー一行が、次に向かう神社は、松江駅から南に1kmぐらい行った所にある、賣豆紀(めづき)神社…

出雲参拝で松江と言えば、恋愛成就のパワースポットでもあり、素戔嗚(スサノオ)の「ヤマタノオロチ退治」の神話で有名な八重垣神社が、比較的この近くにあるのですが、今回は時間とスケジュールの関係で行きません。
それ以上に、この賣豆紀神社という神社は、今回のツアーで外せないスポットだという事です。
とはいえ、この時の僕は、賣豆紀神社に何の知識も持ち合わせてなくて、恥ずかしながら「賣豆紀」と漢字で書かれると、どう読んで良いのかさえも分かりませんでした(笑)
これを「めづき」なんて、とても読めないです(^^;;
この神社は、島根県の県庁所在地の駅である松江駅から、南に少し行った所にあります。
ILU開運ツアーのツアーならではの、レアものの神社ですね。
「人生最高の開運を手に入れる方法」の著者でもある藤尾美友先生は、日本全国にある霊験あらたかな神社を知り尽くされているのです。

何というか、さわやかで清々しい場所です。
ちなみに、本田圭佑効果で最近では、清々しいを「きよきよしい」と読みます♪
神社の由来や由緒はわからなくても、何とも言えない心地よさを、肌で実感します。
この神社の御祭神は、大国主命(オオクニヌシ)の娘神である、下照比売(シタテルヒメ)…
一般的には、安産の神様として知られているようです。
古事記の国譲り(葦原中国平定)の話は、ご存知の方も多いのではないかと思うのですが、高天原(たかあまはら)の神である天照大御神(アマテラスオオミカミ)が、地上の神である大国主命に、国を譲るように、三度も配下の神を派遣して説得するというストーリーで、やっと三度目にして国譲りが成功します。
一度目は、天菩比(アメノホヒ)という神様を派遣するのですが、大国主神を説得している内に天菩比は、逆に大物主神の人柄(神柄?)に心服してしまって、ずっと地上に居ついてしまいます。
いつまで経っても、天菩比が帰ってこないという事で、天照大御神から二度目に派遣されたのが、天若日子(アメノワカヒコ)でした。
そして、この神様も大国主命に懐柔されて、この賣豆紀神社の主祭神・下照比売と結婚する事になるのです。
こうなると、天若日子にとって、大国主命は義理のお父さんになってしまう訳で、当然、天には帰りません(笑)
おそらく、天若日子にとって、下照比売があまりに魅力的だったという理由も、あったと思います。
その後、絶対に融通が利かなそうな、建御雷(タケミカヅチ)が三番目に派遣され、国譲りは成就します
でも、この先には悲しいストーリーがあるんですね。
いつまで経っても天に戻ってこない天若日子に、連絡をよこすようにと、天から雉(きじ)が遣わされると、天若日子はその雉を、矢で射ってしまいます。
その矢は、そのまま高天原まで飛んでいき、雉の血が付いた矢を見た高天原の神様が、「天若日子に邪心があるのなら、この矢に当たれ」と念じて地上に投げ返すと、天若日子の胸に当たり、そのまま絶命してしまうのです。
夫の亡骸を目の前にした下照比売の泣き叫ぶ悲痛な声は、天にある高天原まで届いた… というお話です。
古事記なんかに興味がある人にとっては、よく知られているストーリーですが、改めて、下照比売の側の気持ちになって読んでみると、以前に読んだ時とは、また別の感情がわいてくるから、何とも不思議です。

石碑には「和歌の祖神 下照比売の御歌」と書いてあります。
紀貫之は古今和歌集に、和歌の始祖として、下照比売命のこの和歌と、素盞嗚の和歌をあげています。
この下照比売の和歌から、夫の天若日子にそっくりな兄神である、阿遅鉏高日子根(アヂスキタカヒコネ)が、高天原から、弟神の葬儀に来た事が分かります。
拝殿を参拝する前に、この石碑の前に集まって、藤尾先生のお話を聞きました。
今回の縁結大祭の神在祭(かみありさい)は、神在月(全国的には「神無月」)に、日本全国の神様が出雲の地に集まって来る事にちなんで行われるのですが、神在月の神議り(かむはかり)が終わると、全国からやって来たほとんどの神様は、新年に間に合うように、国元へとお帰りになるのですが、中には、そうではない神様がいらっしゃるとの事…
初めて聞くレアな神話のストーリーに、興味津々となって、思わず藤尾先生のお話を聞き入りました。
国元に帰らないで、この神様達は何をやっているかというと、何と、絶世の美女である下照比売と遊興する為に、お忍びで、七日間もここに滞在するのだとか…
詳しくは、藤尾先生のブログにありますが、神様なのに微笑ましいというか、ほっこりとします。

そして、賣豆紀神社の拝殿へ…
言葉にできない心地よい波動に、背筋がピンとなります。
賣豆紀神社は、非常に古い神社で、本殿はこの拝殿の奥にあって、樹齢350年の御神木のたぶの樹もあります。
下照比売は安産の神様なので、賣豆紀神社は、子供を授かりたい女性や夫婦に、大変人気があります。
境内には「子宝いぬ」という親子の犬の像があるのですが、これをなでると、子宝に恵まれるという言い伝えがあるのだとか…
そして、この境内に、さっきからず~っと、一匹の猫がいます。

すっかり、人になついていて、みんながそばに寄っても、逃げようとしません(^^)
ここは、凛とした清らかな空気が漂っているのに、ほんわかとした、とても温かい場所です。
絶世の美女だと言われた、古代の女神・下照比売に導かれて、何て言ったらいいか、まるで時が止まってしまったかのような、不思議な感覚になりました。
この後は、ここからさらに6kmほど南西にある、玉作湯(たまつくりゆ)神社へと向かいます。
旅はまだ、始まったばかり…
とっても、ワクワクします!!
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