2019.06.202019年 ヨーロッパ紀行 第21話 ~遥かなる異国の景色、馬上にて仰ぐ~
2019年6月20日(木)
(In Vienna Austriay Date 16 May 2019)
ウィーンの美術史美術館を出て、5人でウィーンの街を散策する事になりました。

時に芸術というものは、人の心に様々な影響を与えるものだなあ… と、僕は歩きながら、ぼんやりと考えて言いました。
ゲーテの像は、何も答えてくれなかったけれど、芸術だけに限らず、その時々に、人生そのものが、色々と我々の心に語り掛ける事があって、我々は、その瞬間その瞬間に、自分で答えを出していかなければならない…
こう語っていたのは、ヴィクトール・フランクルだったろうか…
ふと、自分が思った言葉さえも、過去に誰かから聞いた言葉や、読んだ本なんかが、元になっている事がある…
もちろん、それを取り入れるかどうかは、自分の心が決める事ですが…
そんな風に考えると、ますます、人生の中の出会いは、ちゃんと自分で選んでいかなければいけないし、その一つ一つを大切にしていかなくてはいけないという思いに駆られました。

ここは、ウィーンのカジノハウス「カジノ・ウィーン」
建物の中には入らなかったのですが、ウィーンの街というのは、ハンガリーのブダベストに比べて、ずいぶんと洗練されているオシャレな感じがします。

ウィーンの繁華街のど真ん中…
高天麗舟先生も、相模泰生先生も、草さんも、おみやげを買いに、それぞれに分かれて、お店に入っていきました。
野尻泰煌先生と僕は、歩行者道路の真ん中に設置されている、大きなベンチで腰を下ろして、足を休ませました。
野尻先生と、さっきの見た美術史美術館の強烈な絵について、携帯で撮った写真をお見せしながら、いろいろと語りました。
特に西洋の絵の中には、この絵のように、ものすごく強烈なインパクトを与える事によって、人目を引くようなものがあるそうです。
それが良いとか悪いではなく、そういう傾向があると、野尻先生はおっしゃっていました。
みんなが戻ってきたので、また再び歩き始めました。

目の前にあるのは、ウィーン聖シュテファン大聖堂…
ハプスブルク家の歴代君主の墓所であり、かのモーツァルトが妻コンスタンツェと結婚式を挙げた場所でもあります。

入場無料でもあるからか、中は、たくさんの人でごった返していましたが、内装はバロック様で、とても威風堂々としていました。
ヨーロッパの街並みというのは、何ともいえないノスタルジックさを感じさせます。
これは、7年前のパリでも感じた事ですが、ブダペストでも、ここウィーンでも同じ…

ここミノリーテン協会は、13世紀に建てられた由緒ある教会…
建物がオシャレと言うか、可愛らしいというか、すごく好きですね。
しばらく、その周辺を歩いていくと…

ウィーンのカフェの老舗「カフェ・ツェントラル(Cafe Central)」がありました。
このカフェには、たくさんの知識人や芸術家などが集ったと言います。
玄関の外には、待っている人の列ができていましたが、せっかくだから、みんなでここでお茶をしようと、列に並びました。
待つこと15分ぐらい…

すごく、豪華な客席に案内されました。
このカフェを訪れた、錚々たる著名人の顔ぶれがすごい…
あのクリムトもそうですし、なんと、ロシアの革命家・ウラジーミル・レーニンや、精神分析学のジークムント・フロイト(カール・ユングの師で、後に袂を分かつ)も、いたそうです。

白ワインと、特製ケーキを注文してみました。
このケーキ、とっても甘くて、最高に美味しいです。
(でも、甘過ぎるのが苦手な人には、もしかするとキツいかも知れません…)
カフェ・ツェントラルから外に出て、みんなでウィーンの思い出を作ろうと、ウィーンの街を回っている馬車に乗る事にしました。

とてもオシャレな白馬の馬車…
まるで、おとぎ話の世界のようです。
いや、決しておとぎ話ではなくて、100年ほど前のヨーロッパでは、馬車はきっと日常の光景だったのでしょうけれど…

みんな、とっても良い顔をしています。

馬上から見る、ウィーンの街並み…
全てのものが、美しく見えます。
馬車の運転手の方が、通り過ぎる街並みの建物を、ドイツ語で紹介してくれます。
草さんが、それを可能な限り(だいたい70%ぐらい…)、僕らに通訳して、何て言ったのかを教えてくれます。

この仲間と出会えて良かった…
この場所に来れて、良かった…
さっきまでの、つまらない心の葛藤が、どうでも良い事のように思えてきました。

何だかちょっと、少し、考えすぎてたかな…
遥かなる異国の景色、馬上で仰ぎながら、やわらかい風を受けて、全ての悩みが吹き飛んでいくのを感じました。
<旅の教訓21>
時には、考えるのをやめて、美しい景色を楽しむのがいい。
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