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天照大御神と月読命 ~近畿への旅<7>「三重・伊勢神宮外宮へ」~18.11.06

2018年11月6日(木)

 

 今日の東京は、一日中雨…

 

 あの近畿の旅行を振り返ってみれば、最初の京都の日こそ、多少、雨が振っていたものの、天候にも本当に恵まれていました。

 

 そういった事を考えても、僕は、感謝する事を忘れてはいけませんね。

 

 とはいえ、間違って反対方向の電車に乗って、あわてて降りた無人駅のプラットホームで、伊勢方面へ向かう電車を待っていた時の僕には、とてもそんな事を思えるような、心の余裕はありませんでした。

 

 何もやる事なく時間をつぶして、40分後に来た電車に乗り込んだ時には、すっかり気持ちも萎えていました。

 

 携帯電話を失くしてしまっては、誰とも連絡が取れないし、例えパソコンを持っていても、インターネットとつなげる事もできません。

 

 今頃、何件かの不在着信が入っているのだろうと、思いを巡らすと、それだけで気持ちが暗くなりました。

 

 無理やり気持ちを切り替えて、頭の中で、伊勢に行ってから参拝したいと思っている神社とその順番を、再確認してみました。

 

 ① まず最初に、伊勢市駅に降りて、「伊勢神宮の外宮」に参拝する。

 

 ② そこから徒歩で、かねてからの目的の「月夜見宮」に参拝する。

 

 ③ そこからバスに乗って、「倭姫宮」へ行き、参拝する。

 

 ④ さらにバスを使って、2つ目の目的地である「月読宮」に行き、参拝する。

 

 ⑤ そこから徒歩で「伊勢神宮の内宮」に参拝…

 

 ⑥ 最後に、Iさんが勧めてくださった「猿田彦神社」に参拝する。

 

 のんびり行動していたら、丸一日掛かってしまうような参拝スケジュールですし、どんなに急いでも、3時間は掛かりそうです。

 

 改めて時計を見ると、すでに午後2時半…

 元々の計画では、もう伊勢市に到着して、倭姫宮行きのバスに乗っているはずの時刻です。

 

 ところが今、実際にいる場所は、まだ奈良県…

 このスケジュールは無理だから、絶対に行きたい所だけに絞り込むしかなさそうです。

 

 まず、外せないのは、月夜見宮と月読宮です。そして、Iさんが勧めてくれた猿田彦神社…

 

 そうはいっても、せっかく伊勢神宮に参拝しながら、内宮にも外宮にもご挨拶に行かないというのはあり得ないし、失礼な話です。

 

 とすると、今回、参拝をあきらめるとしたら、倭姫宮しかない… という結論になるのですが、例え、倭姫宮を一つ取りやめたとしても、神社の門は夕方の5時に閉まってしまいますから、すでにこのスケジュールは履行不可能です。

 

 よくよく考えてみれば、夕方近くに伊勢市駅に着いた所で、ほとんど時間が残されていませんから、いっその事、このまま名古屋まで行って、新幹線で東京に帰ってしまおうかとも思いました。

 

 伊勢神宮は、また参拝にくればいいし、執着を捨てる事も必要かも知れません。

 とはいえ、今回、伊勢に行く事をあきらめたら、この後は、当分先になってしまいそうです。

 

 今回、伊勢神宮の中で、特に月夜見宮と月読宮に参拝しようと思ったのは、理由があります。

 それは、Nさんが四柱推命講座の補講にいらっしゃった時の事でした。

 

 Nさんは神社巡りや日本の神様の事が大好きな人で、とても詳しいのですが、ある時「浅野先生は、月読命(ツクヨミノミコト)の雰囲気に似ている気がします…」と、おっしゃったんです。

 

 もちろん、雰囲気が似ているというだけで、月読命と僕では、まさしく「月とスッポン」くらいの隔たりがある事も、感じていたとは思うのですが…

 

 月読命が天照大御神(アマテラスオオミカミ)の弟神で、「月に関わっている神様」であるという程度の事は知っていましたが、僕は、月読命がどんな神様なのかも、あまりよく分かっていませんでした。

 

 月読命は、天照大御神、素戔嗚(スサノオ)と共に、三貴子の神様の一柱として古事記に登場していますが、天照大御神と素戔嗚は、たくさん逸話が残されているのに、月読命だけは、ほとんど逸話もなく、謎だらけの存在だったりします。

 

 Nさんがおっしゃるには、「占い」というものも、月読命の神と深い関連があるらしく、月読命について書かれた一冊の本を、僕に貸してくださいました。

 

 僕はNさんに「天照大御神は伊勢神宮だし、素戔嗚は素戔嗚神社とかに、祭られていると思うのですが、月読命というのは、どこの神社に祭られているんですか?」と質問してみました。

 

 すると、Nさんは「出羽三山の月山神社だと思います」と答えてくださいました。

 

 その時、何か、もつれた糸がほどけていくような気持ちになりました。

 

 考えてみれば、2年ぐらい前、ある人に「夫婦の新婚旅行は、必ず出羽三山に行くように」と、勧められた事があるんです。

 

 とはいえ、その頃はお金の余裕もなく、出羽三山がどんな所かも知らない上に、僕は、人から強制されるのは嫌いなので、無視しました。

 

 それから2年ぐらい経って、エテイヤの事でご縁ができた、すごく感性が研ぎすまされた小説家の方からメールが来て、そのメールの文面には「ひょんな事から、ここへ行くべき感じがあって、来週、出羽三山に行ってこようと思います。」と書いてありました。

 

 その時初めて、出羽三山という場所に、何か深い縁を感じるようになったのですが、かと言って、今すぐこの場所に行きたいとまでは、感じませんでした。

 

 しかし今回、Nさんの話を聞いて、「やっぱり一度、出羽三山に行ってみよう…」と思い直しました。

 

 とはいえ、出羽三山へのアクセスは、前にも調べた事があるのですが、交通の便が本当に悪くて、天河神社へ行く以上に大変な場所です。

 

 そんな事を考えていたら、Nさんが、「伊勢神宮の別宮にも、月読命が祭られている所があるんですよ」と教えてくれました。

 

 月山神社へ行くのは、今は無理ですけど、伊勢神宮の別宮の月夜見宮と月読宮なら、天河神社からの帰り道に行く事ができる…

 

 今回、旅のスケジュールに伊勢神宮を加えたのは、こんな事情がありました。

 だから、やっぱり、月夜見宮と月読宮は、できる限り参拝したかったのです。

 

 どことも知れない無人駅から電車に乗って、途中で何度か電車を乗り継ぎ、1時間40分ぐらい掛けて、伊勢神宮の外宮のある伊勢市駅に到着…

 

 時計の針を見ると、午後4時を少し回った所…

 

 旅の最後の目的地には、無事に到着したものの、最後の最後で、かなり追い込まれた展開になってしまいました。

 

 

 明日の夕方には予定が入っているので、今夜、東京に帰るつもりでしたが、特急と新幹線を使って、名古屋経由で帰れば、明日の午前中にここを出ても、ギリギリ予定に間に合う…

 

 とはいえ、携帯電話が無いので、当日のホテルの予約が取れるかどうかもわからないし、だいたい、伊勢市のどこに、泊まれるホテルがあるのかすら、わかりません。

 

 さらに悪い事に、財布の中には2万円しか残っていないので、帰りの電車賃を考えると、かなり安いホテルでなくては、泊まれないようです。

 

 近鉄線の伊勢市駅の駅事務所に行って、もう一度だけ、駅員さんに、携帯電話が見つかったという届け出が出ていないかを、調べて頂きました。

 

 でも、結果はさっきと同じで、駅事務所や警察に、携帯電話が届けられたという記録はありませんでした。

 

 今日の朝、僕が乗った特急電車は、社内点検も済んで、とっくに車庫の中に入っていて、どこにも携帯電話は、発見できなかったとの事でした。

 

 また、橿原神宮前のプラットホームのベンチに、携帯電話が置かれていない事は、自分のこの目で確認をしています。

 

 あまり考えたくはないのですが、この結果を踏まえると、どうやら悪意のある人間に、携帯を拾われてしまった可能性が高そうです。

 

 今から4年ほど前、2万円ぐらい現金が入った財布を、道に落としてしまった事があるのですが、その時には、その財布は警察に届けられていました。

 

 財布を受け取りに行った時、警察官の方が「世の中というのは、99%は善人なんです。財布が届けられる事は、大して珍しい事でもありません。」と、おっしゃっていたのを思い出しました。

(2014/8/4パリブログ 「世の中の99%は善人」 参照)

 

 でも、今回は、その1%の悪人に、携帯電話を拾われてしまったのかも知れません。

 

 もちろん、断定はできないのですけど、この時間になっても、届け出がない事をふまえると、どうしてもそう考えざるを得ない…

 

 ふと、僕がまだ19歳だった頃、先輩のミュージシャン(主に、スタジオミュージシャン)達が、酒の席で酔っ払って話していた事を思い出しました。

 

 断片的な記憶でしかないのですが、当時、僕が通っていた音楽学校の忘年会か何かで、居酒屋の大きな机に、僕よりも年上の20代半ばぐらいのロック・ミュージシャンが10人ぐらい集まっていました。

 

 みんなガラが悪くて、そこでの僕は一人だけ浮いている感じの存在で、すごく居心地が悪かったのを覚えています。

      まるで「魁!!クロマティ―高校」の神山君みたいに、明らかに場違いな存在でした…

 

 その集団の中でも一人、究極のチンピラみたいな、おっかない先輩が、僕の目の前に座っていて、僕と目が合うたびに、その先輩から、あきれるような顔で小馬鹿にされていたのですが、その先輩も、隣に座っている別の先輩から、いろいろとツッコまれていました。

 

 その二人の会話が、不意に今になって、思い出されました。

 

 なんで、30年前の自分が加わってもいない会話の内容を、今でも覚えているかというと、それがあまりにも衝撃的だったからです(笑)

 

 「この前の飲みの帰り道にさあ、財布を拾ってさあ、中身を見たら5万も入ってた。これ超ラッキーじゃねえ」

 

 「ネコババしたのかよ。それヤバくねえ?」

 

 「ああ、クレジットカードなんて、ヤバくて使えねえから、札だけ抜いて、残りは財布ごと川に捨てちゃったわ、ハハハ」

 

 「鬼畜だなあ… それ、ひでえだろ」

 

 この後も、本当に最低な、この先輩の鬼畜自慢話が続いたのですが(もう、とっくに犯罪レベルの話…)、それは「こういう人間も、世の中に存在するのか…」と思わずにはいられないほど、ショッキングな内容でした。

 

 そうか… ああいう人が僕の携帯を拾ったなら、絶対に見つかる事はない…

 

 東京に帰ったら、携帯電話会社に電話して、中のデータを遠隔操作で消去してもらってから、電話を止めてもらおう…

 

 僕はその覚悟を決めて、伊勢で予定していた神社参拝の遂行に、集中する事にしました。

 

 この後、泊まるホテルが見つかるかどうかはわからないけど、神社の門が閉まる5時までに残された時間は、あと50分あまり…

 

 とりあえず、行ける所まで行ってみよう。

 

 僕は急いで、伊勢神宮の外宮に向かいました。

 

 

 神社の中を早足で歩きながら、お手水をして、伊勢神宮の外宮の正宮(豊受大神宮)へ、ご挨拶に行きました。

 

 江戸時代の民謡の「伊勢音頭」では、「伊勢へ行きたい、伊勢路が見たい、せめて一生に一度でも」と歌われますが、まさにここが間違いなく、最高神・天照大御神の御膝元…

 

 ほんの15分ぐらいで、外宮を参拝し、月夜見宮へと向かいました。

 

 もしも、ホテルが取れなくて、東京に帰る事になっても、せめて「月夜見宮」だけは参拝しておきたい、真剣にそう願いました。

 

 切羽詰まっているせいか、何となく月夜見宮がどっちの方向にあるのか、感覚で分かるようになっていました。

 

 でも、間違っていたら、全てが水の泡になってしまうので、外宮の神社の社務所の人に聞いてみたら、やっぱり感覚の通りでした。

 

 外宮の中の一本道を、掛ける様にして突き進み、そのまま鳥居の外へ突っ切って直進し、神路通り(伝説で「月夜見の命が白馬に乗って、夜な夜な外宮へと、天照大御神に会う為に通い給う道」と言われている道)を、一直線に駆けていきました。

 

 月夜見宮の前の大通りには、Nさんが教えてくれた手作りアクセサリーの店「月の雫」がありましたが、今日は定休日のようでした。

 

 月夜見宮に到着して時計を確認すると、4時30分ぐらい…

 

 なんとか、間に合ったようです。

 

 

 どちらにしても、今日はこれ以上、他の神社を回る事はできないから、ゆっくり月夜見宮に参拝させて頂こう…

 

 ずっと走っていたので、心臓の鼓動がまだ元に戻らないようです。

 

 月夜見宮は鳥居を入ると、すぐに御宮がありました。

 

 呼吸を整えながら、早速、ご参拝しました。

 

 

 何か、月夜見命の気を感じられるかなあ…

 

 自分の感覚を、とぎすませてみようと試みたのですが、やっぱり何にも感じられませんでした。

 

 まあ、今の心の状態では、何も感じられなくて、当然かも知れない…

 

 「携帯電話が出てこなくても仕方ない」という覚悟はできたのですが、今度は、記憶の中に出てきた、財布のお札だけを抜き取って、川に捨ててしまった「悪」の存在に対して、怒りの感情がおさまらないようになっていたのです。

 

 「悪」というものに対して、個人的な感情で怒ったり、裁きを与えようとしたなら、自分も同じレベルにまで落ちてしまう…

(2014/8/13パリブログ 「本来あるべき方向に…」 参照)

 

 理屈ではわかっているのですが、どうも感情の方は、思い通りにいかないようです。

 この時点では、まだ、誰かが僕の携帯を悪意で持ち去ったとも、決まっていないのに…

 

 少しばかり反省をしたからと言って、人は一朝一夕に、心が変われるになる訳ではなさようです。

 でも、その反省の繰り返しの中で、毎日を生き、いつか心は、豊かになっていく…

 

 月夜見宮を参拝してから、たそがれ始めた伊勢の大通りを、値段が手頃そうなホテルはないかと周りを見ながら、伊勢市駅の方へ歩いて行きました。

 

 伊勢海老が有名な高級リゾート地のこの伊勢で、そんなもの、見つかる訳ないよな…

 そう思いながら、ふと前を見ると…

 

 ありました!!

 「ビジネスホテル山本」(一室4,310円より…)

 

 でも、今日の今日で空き室があるのか… 少し狭い階段を上がってフロントで聞いてみました。

 

 「ええ、今、丁度一室だけ空いていますよ」

 

 まさしく、天の助けです。

 

 明日の午前中までの時間を使って、残りの神社を参拝し、その後、急いで東京に帰れば、夕方に入れている予定にも、ちゃんと間に合います。

 

 天の神様から頂いた大切なアディショナルタイム…

 しっかりと有効に使おうと思います!!

 

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