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古の神を求めて ~近畿への旅<6>「奈良・三輪大社へ」~18.11.05

2018年11月5日(月)

 

 どれだけ、眠り続けていたんだろう…

 

 布団の中で目覚めたのは、朝の5時ぐらいだったと思います。

 

 それにしても、名酒「大峰山」は、かなりのキック力でした。

 とはいえ、体の方は元気です。

 

 眠り続けていた時間は、およそ6時間ぐらい…

 

 欲を言えば、まだ眠いのですが、今日は、奈良県の三輪大社と三重県の伊勢神宮を回って、東京に帰るというハードスケジュールを敢行しなければいけません。

 

 逆算すると、どんなに遅くても、洞川温泉を7時25分発のバスで出なくては、三輪大社と伊勢神宮を経由した後、今日中に、東京に帰りつく事は不可能になります。

 

 まだ5時とはいえど、お風呂に入ったり、身支度をする時間の事を考えると、もう起きなくては…

 

 インスタグラムも更新しないまま、目覚ましを掛ける事なく、いつの間にか眠ってしまいましたが、この時間に目が覚めて、本当に良かったです。

 

 インスタグラムは、今じゃなくても、三輪大社に向かう電車の中ですればいいや…

 

 そんな事を考えながら、急いで旅の身支度をしました。

 

 旅館・柳屋の親切なご主人が、洞川温泉のバス停まで自家用車で送ってくださったので、余裕でバスに間に合う事が出来ました。

 

 しかも、柳屋の女将さんの手作りおむすびまで頂きました。

 早速、行きのバスの中で、ありがたく頂いて、朝食を取りました。

 

 

 これから、まずは、奈良県桜井市にある三輪大社へと向かいます。

 

 

 京都から南下して、天河神社に来たのですが、三輪大社に行くには、元のルートを少しだけ戻って、北上する形になります。

 

 洞川温泉の停留所から、下市口駅まで1時間10分、そこから近鉄線に乗り替えて、橿原神宮前(かしはらじんぐうまえ)駅で下車して乗り換え、さらに大和八木で乗り換え、さらに桜井で乗り換え、合計4回の乗り換えをして、三輪大社のある三輪駅に着きます。

 

 三輪大社へ参拝する時間も限られていて、駅からの行き来の時間も含めて、長くても2時間半以内に終わらせないと、伊勢神宮の方が、回れなくなってしまいます。

 

 伊勢神宮では、Nさんが勧めてくださった「月読宮」と「月夜見宮」、Iさんが勧めてくださった「猿田彦神社」を必ず入れて、外宮と内宮を両方とも回ろうと思っていますが、考えてみれば、これはかなり時間的にきわどいスケジュールです。

 

 何せ神社というのは夕方の5時になると、門を閉めてしまいますから、そうなってしまっては、元も子もありません。

 

 下市口駅前の停留所でバスを降り、そこから予定通り、まずは最初の乗り換え駅の橿原神宮前へと向かう近鉄線の「特急・大阪阿部野橋 行」に乗り込みました。

 

 電車の席はガラ空きの状態で、のんびりと座れました。

 よし、今の内に、京都で撮った写真をインスタグラムにアップしてしまわなくては…

 

 どっかりと席に腰を下ろすと、途端に眠気が湧いてきましたが、携帯を取り出して、京都の八坂庚申堂で写した写真を、2枚ほどアップしました。

 

 「次は、橿原神宮前、橿原神宮前…」

 

 ウトウトして乗り過ごしてしまいそうになりましたが、慌てて気づいて、電車を降りました。

 ホームにあるベンチにいったん腰を下ろして、そこで荷物を整理して、今度は「青山町行き」の電車に乗り込みました。

 今度の電車は、さっきとはうってかわって満員です。

 

 電車の中で、設定がマナーモードになっているか確かめようと、携帯電話を探したのですが、どこにも見つかりません。

 

 さっき、インスタを更新した後に、カバンの中にしまい込んだに違いない…

 

 寝不足のせいか、どうも頭が働かず、ボンヤリとしています。

 

 電車の中は人がいっぱいで身動きが取れないので、次の乗り換え場所の大和八木駅に着いたら、ちゃんとカバンの中を探してみよう…

 

 この時点では、僕は比較的、楽観的に考えていました。

 

 しかしながら、大和八木駅で降りて、カバンを全てひっくり返して、携帯電話を探してみるも、どこにも見つかりません。

 

 この状況が、決して楽観できるものではない事を、初めて思い知りました。

 

 こういう時は、まずは冷静にならなくては…

 深呼吸しながら、自分に言い聞かせてみました。

 

 まずは、大和八木駅の駅事務所で、今現在、携帯電話の届け出がないかを調べてもらう事にしました。

 

 特急電車の中に置き忘れたか、橿原神宮前でホームのベンチに腰を下ろした時にベンチに置き忘れたか、2つの可能性が考えられましたが、どうやら、今の所、どちらも携帯電話の届け出はないようです。

 

 これは、困った事になった…

 

 あの中には個人情報がいっぱい入っていますし、最新型のI Phoneですから、怪しい外国人なんかの手に渡って、中古品として転売されてしまう恐れもあります。

 

 でも、まだ、見つかっていないのであれば、まだ、橿原神宮前のホームのベンチに、そのまま放置されている可能性もありそうです。

 

 僕は、時間のロスを覚悟して、大和八木駅から、橿原神宮駅へ戻って、さっき腰を下ろしたホームのベンチの辺りを探してみました。

 

 しかし、その場所には、携帯電話はありませんでした。

 

 気持ちが動揺して、自分の呼吸が浅くなっているのを感じました。

 

 今度は、橿原神宮前の駅事務室で、携帯電話の届けがないか調べてもらいましたが、やはり届け出はありませんでした。

 

 大和八木駅と橿原神宮駅を無駄に往復した事で、1時間弱の時間を消費してしまったようです。

 

 このままでは、三輪大社に参拝できなくなってしまう…

 

 こうなったら、仕方ありません。

 携帯電話が善意のある人に発見されて、駅に届けられる事を信じて、旅を続行する事にしました。

 

 大和八木駅から桜井駅までの電車に乗り、桜井駅から「奈良行」の電車に乗り換えて、三輪に行こうとしたのですが、タイミング悪く、ちょうど電車が発車した所で、次の電車までは、30分待たなくてはいけなくなってしまいました。

 

 いつもの僕なら、こういう時には、絶妙のタイミングで乗り継ぎがうまく行って、最後は全ての計画がうまく行ってしまうはずなのですが…

(2013/2/26パリブログ 「あの日起こった奇跡…」 参照)

 

 どういう訳か今日は、何もかもがボタンを掛け違えているように、うまく行きません。

 

 昨日の夜、お酒なんか飲んでいないで、さっさと旅館に帰って、やるべき事を済ませてから休めば、寝ぼけて携帯電話をなくす事もなかったのに…

 後悔の気持ちが、堰を切ったように、こみ上げてきます。

 

 どちらにしても、これ以上の時間を絶対にロスする事はできない…

 この状況となっては、30分の待ち時間も惜しいです。

 

 桜井駅から三輪駅は、たったひと駅ですから、電車は使わないで、タクシーで行く事にしました。

 タクシーを使えば、三輪大社の入り口で降ろしてもらう事もできますから、三輪駅から三輪大社までの歩く時間も節約できる分、多少、遅れを取り戻せるかも知れません。

 

 タクシーをつかまえて乗り込むと、たまたま当たった運転手さんが、とても歴史に詳しい方で、三輪大社の事や、平安京遷都の前の都の話をしてくださいました。

 

 「この辺りはずっと、平安京遷都で都が京都に移る前までは、日本の中心地だったんです。奈良の都というと、平城京だけが取り上げられるけど、それまでにも都は何度も遷都されていて、飛鳥から藤原京、平城京と移っていったんです。」

 

 「三輪大社というのは、日本で一番古い神社と言われていて、山全体が神社だと言われているんですよ。昔の人々は、山そのものを崇拝したんです。だから、本当は手前の拝殿ではなくて、山の上にある社に参拝するのがお勧めなんですよ。」

 

 そう言われると、ものすごく、山の上の社に行きたくなりました。

 

 ダメ元で、「タクシーで、そこまで言ったりはできるのですか?」と、ちょっと聞いてみました。

 

 「ええ、途中までなら行けると思います。でも、こちら側の道ではなくて、山の向こう側に回り込んで行かなくてはならないので、結構、時間は掛かりますよ。」

 

 山の上の社には、かなり興味を惹かれましたが、この後には、伊勢神宮を参拝する予定もあります。

 

 携帯電話を紛失するトラブルさえなければ、山の上まで行けていたかも知れないと思うと、すごく悔しいのですが、今回は、山の上の社の参拝はあきらめる事にしました。

 

 

 そして、三輪大社に到着…

 

 せっかくここまでたどり着けたというのに、正直、気持ちは携帯電話の事でモヤモヤとしています。

 

 でも、そんな中でも不幸中の幸いは、デジカメを持ってきている事です。

 

 家で旅行の準備をしている時、携帯にカメラがついているので、デジカメは必要ないか… と思ったのですが、一応、念の為に持ってきたのが正解でした。

 

 携帯電話が見つからない限りは、京都や天河神社で撮った写真を見る事も、ましてやインスタを投稿する事も、できないのですが、後で携帯が見つかってから、デジカメで撮った写真を携帯に送信して、写真をアップすればいい…

 

 

 参堂を少し進んだ左側に、諸々の罪汚れを祓う「祓戸四柱(瀬織津姫・速秋津姫・気吹戸主・速佐須良姫)」の神が、祭られています。

 

 どうも調子が悪いので、しばらくの間(2~3分ぐらい)、ここに立ち止まって、参拝していました。

 

 そうすると、不思議な事に、かなり気持ちが楽になりました。

 

 

 参道を奥に進んで、拝殿に到着…

 

 三輪大社は、山そのものがご神体なので、他の神社と違って、本殿というものはありません。

 

 そして、古の神を求めて、たくさんの人々がはるばるこの場所を訪れる…

 

 こうやって、ここに来られただけでもありがたいのに、不平不満が募ると、そんな大切な事も思い出せなくなってしまうんですね。

 

 

 三輪大社の「夫婦岩(めおといわ)」…

 まるで、ずっと寄り添っている夫婦みたいです。

 

 もっと、この場所にいたかったのですけど、もう長居はできません。

 

 三輪大社を後にして、昼食も取らずに、駆け足で三輪駅へと急ぎました。

 

 すぐに、東へと向かう電車に乗らなくては、夕方までに、予定していた伊勢神宮の神社が回れなくなってしまいます。

 

 とはいえ携帯が無いので、次の電車が何時に来るのかも、調べる事もできません。

 いつもは当たり前に感じていた携帯電話の恩恵のありがたみを、身にしみて感じました。

 

 三輪駅に着いてみると、例によって、丁度、乗りたい電車が発車した所で、次の電車が来るまでに、30分ほど待たなければなりませんでした。

 

 いくら何でも、タイミングが悪すぎるなあ…

 

 普段の僕にしては珍しく、心の中で愚痴があふれてきました。

 そして、ほどなく到着した電車に乗り込んで、ため息をつきました。

 

 その電車に15分ぐらい乗っていた頃でしょうか…

 僕は、とんでもない間違いをしている事に気づきました。

 

 伊勢市駅に行く為に、東へ向かう電車に乗ったつもりが、どうやら西に向かう電車に乗ってしまったらしいのです…

 

 気づいてすぐに、次の停車駅で降りました。

 

 降りた駅は、駅員さんも誰もいない無人駅…

 その駅の時刻表を見ると、東に向かう電車が到着するのは、40分後までないようです。

 

 この失敗で、さらに1時間半ほどの時間のロスになってしまいました。

 

 近くにコンビニか食堂はないものかと、周りを見渡したのですが、民家と畑以外は何も見当たらないようです。

 せっかく昼食も食べずに、急いで駅まで走ったというのに、何もかもが裏目に出てしまいました。

 

 もう、最悪です(笑)

 

 「いつもと何かが違っているから、こんな事になっているに違いない…」

 

 冷静な自分に戻る為に、自分にダメ出しをしてみました。

 

 まず、感謝ができていない…

 失敗した事に心が囚われて、冷静になれていない…

 

 こんな時、「どうせ自分なんて、いつもこんな風についていないんだ…」などと嘆いて、投げやりになって開き直ってしまったら、もう負けです。

 

 「今の自分の状態はいつもの自分ではないし、きちんと反省をして、気持ちを切り替えさえすれば、この状況は打開できる…」

 

 強くそう自分に言い聞かせました。

 

 取りあえず、今、この状況でできる最善の事をやってみよう…

 

 誰もいない無人駅の自動販売機で買った、あたたかいミルクセーキを飲みながら、深く深呼吸をしてみました。

 

 どちらにしても、今は、伊勢神宮のある三重県に向かうしかない…

 

 伊勢神宮の参拝をどうするかという事は、後でゆっくりと考える事にしました。

 

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