2019.06.242019年 ヨーロッパ紀行 第25話 ~チェコの喧騒~
2019年6月24日(月)
(In Brno Czech Republic Date 17 May 2019)
今度のブルノの新しい隠れ家は、大きな建物の5Fの大部屋…
すぐ近くには、大きな公園もあります。
ウィーンの宿では、4人と3人に宿泊が分かれたのですが、また、ブルノではみんな一緒になりました。
お昼過ぎに、野尻泰煌先生と、高天麗舟先生と、相模泰生先生と、草さんと一緒に、隠れ家の近くを散策しました。
野尻先生が、素敵なレストランを見つけたので、そこでお茶を飲む事に…

ちょっと田舎っぽくて、のどかな感じのレストランです。
そして、屋外にも、席が用意されていて、ここでお食事ができるのですね。
天気が良くて、こんな穏やかでのどかな日には、この席は最高です。
このレストランの名前は「Zahrada Ambrosia」という名前なのですけど、これはチェコ語で、どうやって発音するのか、ちょっと分かりません。
このお店は、ブルノの繁華街からは遠く離れていて、チェコ語のホームページはありますけど、外国人を相手に、手広く経営している訳ではなさそうですし、当然、旅行ガイドなんかには載っていないお店です。
チェコの母国語は、チェコ語…
草さんは、英語は完璧ですし、ドイツ語でも半分以上訳してしまいますが、チェコ語となると、さすがにお手上げのようです。
草さんは以前、海外の国の多くの人達は英語を理解できるとおっしゃっていましたが、とはいえ、中には、母国語しか話せない人もる訳で、実は、このレストランの店員さんには、英語が話せる人はいませんでした。
という事は、ここではお互いに、言葉が全く通じないという状況です。
泰生先生の持っている旅行ガイドに、「日常会話で使うチェコ語」というのが載っていて、これで多少、何かを伝えられそうです。
僕も、早めにトイレを済ませておこうと、そこに載っていた「トイレはどこですか?」という意味の言葉を店員さんに伝えてみたのですが、発音が悪いのか、全く通じませんでした。
草さんが、助けに入ってくれて、トイレに行きたいという意味だと伝わると、店員さんは大ウケしていました(笑)
店員さんが持ってきてくれたメニューも、当然、それもチェコ語ですので、ほとんど何が書いてあるかわかりません。
でも、よくそのアルファベットの並びを読むと、何となくわかるものがあるんです。
80項目ぐらいあるメニューの中で、唯一、完全に理解できたのは、これ…
1,5 cl NIKKA Japan Whisky 38,-
さすがに、これは酔っぱらってしまいますね(笑)
草さんに、これを注文するよう強く勧められましたが、今は無理です…
みんな、それぞれに、何となく感覚でメニューの中から一つ選びます。
前後にあるメニューは、同じ種類のものが並んでいるでしょうから、NIKKA Japan Whiskyの隣りは、やっぱり強いお酒だろうな… みたいな。
それに、例えば、Americanoとか、Espressoとか、Cappuccinoとか、コーヒー系のだいたい予想できる単語があって、みんなそれを選んでいました。
僕が選んだのは、これです。
3 dl keiko – japonsky zeleny caj 42,-
“ケイコ” 何だかわかりませんけど…
草さんも面白がって、それを選びました。
若い女性の店員さんが来たので、メニューを指して「ケイコ」というと、ノリの良い店員さんで、笑顔で「Oh! Keiko?」と聞かれました。
草さんも、「Yes,Keiko!」と応戦して、店員さんも僕らも、みんなで大笑いしました。
言葉は全く分からないのに、お互いに心のコミュニケーションは取れているんですね。
草さんのすごい所は、例え言葉が分からなくても臆することなく、ノリでみんなを和やかにしながら、会話をしてしまう所だと思いました。

それにしても、このレストランは本当に素敵な所です。
ちなみに、失くした携帯電話はどうなったかというと、当然ながら、まだ出てきません。
もう、ジタバタした所で始まらないし、あとは天に任せようと思いました。
「人事を尽くして天命を待つ」という言葉がありますけど、僕のとても好きな言葉です。
人事を尽くしている時は、何事も一生懸命やらなくてはいけませんから疲れますけど、その分、天命を待っている間に、体を休めておいたらいいと思うんですよ。
そうしたなら、人生の全ての時間が、有効活用できます。
という事で、今は、天命を待って、休まなくては(笑)
確かに手元に携帯電話がないから、ネットもメールもできませんし、今いる国の時間さえ、いちいち腕時計の時計で計算して出さないといけません。
カメラも携帯と一緒なので、もう写真が写せません。
でも、僕が写真を撮りたそうな顔をしていると、泰生先生とか、高天麗舟先生とかが、パッと察知してくれて、「カメラ使います?」と、すかさず携帯を差し出してくれたりします。
本当に、ありがたい事だと思います。
携帯の事は、考えても仕方ないので、忘れる事にします。
待つこと5分、ついに “keiko”が、運ばれてきました。

“keiko”って、日本茶の事だったのですね。
実は、この“keiko”、ドイツにある、EU内ではかなり有名なオーガニック日本茶ブランドの事だったようです。
飲んでみると、本当に、上質な日本茶という感じでした。
まさか、チェコの地で、日本茶を飲む事になるとは… いや、ヨーロッパの日本茶、いいものです(^^)
チェコ語というのは、我々からすると、すごく早口で、まくし立てるように聞こえる言葉です。
それでもって、なんとなく気持ちが明るくなるような言語ですね。
夜にもまた、このレストランで、松里さんやヒデ君も加えて、7人で食事をしました。
今度は、建物の中で食べました。
ディナーのメニューには、セットで “A”、“B”、“C”、“D”とあって、それぞれにチェコ語で説明されているのですが、残念ながら、誰もその説明を読む事ができません。
仕方ないので、みんな運を天に任せて、A~Dを選びました。
ちょうど、7名のメンバーで、A,B,C,Dがそれぞれいたので、ご飯をシェアしたり、あまりにも苦手な食べ物がある時は、交換したりもしました。
ノリの良い草さんは、早速、相手の人の口調をまねて、それっぽく話していました。
そうすると、何だかわからないのに、つながってしまう単語もあります。
どういう意味か分からないけれど「タータタ」という言葉が、お店の人に伝わりました。
ヒデ君が言うには、「タータタ」は、タルタルソースの事らしい…
「タルタルソース」がだんだんなまってきて、やがて「タータタ」に、なったのかも知れません(笑)
メンバー全員で、「タータタ」という言葉がブームになってしまいました。
そして、7人で泊まる宿に戻ってきて、玄関の前に立つと、ある試練が発生しました。
なんと、何度鍵を回しても、ドアの鍵が開かないのです。
泰生先生が、ずっとドアの鍵と悪戦苦闘していました。
でも一向に、ドアが開きそうな気配がありません。
野尻先生が替わって、ドアの鍵と格闘しましたが、やはりダメでした。
ヒデ君も、高天麗舟先生も、草さんも、松里さんも、そして僕も挑戦してみました。
鍵が回るという事は、鍵が間違っている訳ではありません。
もしかすると、鍵の故障かも… とみんながそう思っていたと思います。
鍵と格闘すること、20分…
だんだん、このまま開かなかったらどうしよう… という焦りが出てくるようになります。
何回も交代で、鍵と悪戦苦闘のあと、ついに開かずの扉が開きました!!
見事、その扉を開けたのは、高天麗舟先生でした。
あとから分かったのですけど、どうやらチェコの国のドアを開けるには、鍵を左に回しきって、さらに、鍵で少し左に回しつつ、ドアを開けると、扉が開くみたいです。
また一つ、勉強になりました。
無事ドアが開いて、7人はまた、平和で静寂な隠れ家に、戻ってきました。
それにしても、今日はいろいろな事がありましたが、だからこそ日常のさりげない暮らしに安らぎを覚えるし、平和な幸せに満たされる…
チェコの喧騒の中で、また一回り大きくなれた気がしました。
<旅の教訓25>
いろいろな事が起こって、心がかき乱されるからこそ、平和に満たされた日々に、幸せを感じる。
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