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西日本紀行記 ~出雲・山口への旅~<2>美保神社は雨のち晴れ20.02.18

2020年2月18日(火)

 

 月日が経つのは、本当に早いものです。

 いつしか、バレンタインデーも終わって、もう2月も、半ばを過ぎてしまっています。

 

 という事は、もうしばらくすれば、やっと、暖かい春がやってくるという事ですね。

 

 出雲の旅の記憶が鮮明な内に、しっかりと記憶しておかなくては…

    というより、このブログ、タイムラグがあり過ぎですね(^^;;

 

 羽田空港から、早朝6:55発のANA381便に乗って、米子鬼太郎空港へ到着したのは、8:20でした。

 

 

 これから、6日間の長い旅の始まり…

 

 今日は一日、美保神社を始めとした、松江にある神社仏閣を思う存分堪能し、明日からいよいよ、出雲大社に繰り出す予定です。

 

 KさんとYさんに誘われて、藤尾美友先生の開運研究所のツアーに参加したのですが、僕はまだ、藤尾先生の顔も知らないし、一緒にツアーに参加している人も、Kさんが紹介してくださった方以外は、全員が初対面…

 

 という事は、もしも万一、はぐれてしまったら、ごった返す見知らぬ人ごみの中で、完全に迷子になってしまいます。

 

 米子鬼太郎空港に到着してからは、とにかく気を引き締めて、KさんとYさんを見失わないように、気をつけていました。

 

 何で、この空港の事を「米子鬼太郎空港」と呼ぶかというと、言わずと知れた、鳥取出身の漫画家・水木しげる先生の「ゲゲゲの鬼太郎」の影響ですね(^^)

 

 名前は、米子鬼太郎空港ですが、実際にこの空港がある場所は、水木しげる先生の出身地の境港市です。

    ちなみに、「鳥取砂丘コナン空港」というのもあります♪

 

 米子鬼太郎空港の中のいたる所にいる「目玉のおやじ」に思わず感動して、つい見とれていたら…

 

 あれほど気をつけていたのに、本当に、KさんとYさんを見失ってしまいました。

 

 というよりも、どうやら僕は、手荷物のスーツケースを受け取らないまま、間違って空港の出口から外に出てしまったようなのです。

 慌てて元の出口に戻ろうとしたら、警備員の人に止めらました。

 

 これはまずい事になってしまったと思い、KさんとYさんの携帯に電話してみたのですが、つながりません。

 いきなり、旅行開始早々から、やってしまいました(苦笑)

 

 とはいえ、ANAの人に事情を話したりしている内に、ツアーの一行もその場所にたどり着いて、無事に合流する事ができました。

 

 そして、スーツケースをANAの係の人に取って来て頂いて、何とか事なきを得ました。

 いやあ、到着早々、焦りました。

    先が思いやられる(^^;;

 

 気を取り直して、さあ、いよいよ待ちに待ったツアーの始まりです!!

 

 荷物は、海外旅行に行く時に使っている、いつもの大きな緑色のスーツケースに詰め込んでいます。

 出雲ツアーの後に、山口にも行くので、洋服とか仕事道具なんかで、かなりの量になってしまい、この大きさのスーツケースでピッタリでした。

 

 ツアーバスの運転手さんは、僕のスーツケースを荷台に入れてくださる時「こんなたくさん荷物を持って、海外旅行の帰りかい」と、おっしゃいました(笑)

 

 無理もありません。このスーツケースは、ノートパソコンや講座の準備に使う資料などが入っていて、やたら重いのです。

    本当に、すみません…

 

 米子空港からバスに乗る事、1時間余り…

 最初の目的地である美保神社に、到着しました。

 

 

 気がついたら、いつの間にか、あの境港の有名テーマパーク「水木しげる記念館」の脇を通り過ぎていたのですね…

 

 いつか、鬼太郎ロードにも行ってみたいと思っていたので、旅行の計画を立てる時に、出雲ツアーが終わった後、山口へ出発するのを1日遅らせて、米子に一泊し、ここへ立ち寄ろうかとも考えたのですが、やっぱり時間的に厳しいので、断念しました。

 

 まあ、観光をしに来たのではないし、遊んでいる暇はありませんね…

 

 

 という事で、最初の目的地である美保神社へ到着です。

 

 この美保神社こそが、出雲大社に参拝する際には、一緒に詣でるべき神社…

 美保神社と出雲大社の両方を参拝する事を、「両参り」と言って、縁結びの願いが、叶いやすくなるそうです。

 

 前に、京都の下鴨神社の言社の事を書いた時に、少しだけ、出雲大社の主祭神の大国主神(オオクニヌシノカミ)の事を書いたのですが…

(2019/11/2ブログ 「京都はんなり日記 その10 ~下鴨神社と緑のシャワー~」 参照)

 

 この大国主神は「因幡の白うさぎ」のお話に出てくる「うさぎを助けた優しい神様」としても有名ですが、国津神(くにつかみ)という種類の神様の中の代表のような存在です。

 

 美保神社の御祭神は、この大国主神の妃の神である三穂津姫命(ミホツヒメ)と、大国主神の長男の神である事代主神(コトシロヌシノカミ)

    ちなみに、三穂津姫と事代主神は、義理の母子の関係です

 

 つまり、美保神社には、出雲大社の神様の妻と子の神様が、祀られているという事なのですね。

 

 そして、神仏習合でいうと、大国主神が大黒天に当たり、事代主神は恵比寿に当たります。

 だから、出雲大社と美保神社の両方を詣でると、大黒様と恵比寿様という、縁起の良い福の神のセットの御利益にあずかれる事にも、なるのですね。

 

 

 美保神社の神門には、巨大しめ縄が祀られていました。

 

 巨大しめ縄と言えば、出雲大社の事と勝手に思っていたので、いきなりこの場所で、こんな巨大しめ縄を見られるとは思っていませんでした。

 

 神社の境内に入ったら、さっきまで良い天気だったのに、パラパラと雨が降り出しました。

 

 

 藤尾美友先生から、美保神社の由来や神社の構造など、詳しいお話をお聞きして、みんなで社殿に参拝しました。

 

 しっとりとした感じの、本当に気持ち良い神社です。

 

 参拝した後、全員で社殿の後ろ側に行ったのですが、急に雨が振ってきたので、思わずみんなで、軒先の下に隠れました。

 

 しばし、雨宿りをしていたのですが、雨が小降りになったのを見計らって、急いで、バスの中へ折り畳み傘を取りに行きました。

 

 ところが、またみんなで参拝していると、不思議な事に、あれほど強く降っていた雨がピタッと止みました。

 

 その後、境内にある、まんまるい御霊石なんかにも参拝したりして、美保神社の境内から出た時には、空は真っ青に晴れ渡っていました。

 

 まるで、美保神社の神様がイタズラして、雨を降らせたり、止ませたりしているみたいでした。

 

 Kさんのご主人は、仕事で困った事があった時に、この美保神社に参拝したら、たちどころに問題が解決してしまったそうです。

 その事を感謝して、多額のお玉串を神社に奉納されたとの事…

 

 美保神社の御神徳のすごさもそうですが、「喉元過ぎれば、熱さを忘れる」というのが人の常の中、感謝の気持ちを忘れないで、ちゃんと行動に示されたKさんのご主人は、本当に素晴らしい方だと思いました。

 

 雨に濡れている青石畳通りをみんなで歩き、小さな路地を進んで行きました。

 

 向かった先は、美保神社の境外末社である地主社(じしゅしゃ)

 地主社の主祭神は、大国主神の娘神である御穂須須美(ミホススミ)です。

 

 地主社の社は、とても新しくて、まるで新築そのものだったのですが、なんと去年建て替えられたのだそうです。

 

 ちゃんと神社の方や地元にお住まいの方なんかが、社をきれいにしてくださっているのですね。

 

 地主社に参拝した後、さらにその奥の方へと向かって、歩いていきます。

 そして、そこにある階段を、みんなで上がっていきました。

 

 階段を登りきった場所には、幸魂(さきたま)神社という祠(ほこら)がありました。

 

 

 ここは、さっきの御穂須須美の神様の御神陵(ごしんりょう=お墓の事)とも言われている祠です。

 

 ものすごく、すがすがしい気にあふれた、澄み切った場所でした。

 

 もしも、この開運塾のツアーに参加していなかったら、ここに来る事は絶対にできなかったと思います。

 

 まるで、探検家になったような気分で、次に向かった先は、やはり美保神社の境外末社である客人(まろうど)神社…

 

 

 この場所は、大国主神が「客人(きゃくじん)」という形で祀られている場所です。

 みんなで、ゆっくりと参拝しました。

 

 さらに、林の中の小道を前へ前へと進んでいくと…

 

 

 そこにも、小さな祠がありました。

 

 ここは、美保神社の御祭神でもある三穂津姫が祀られている天王社(てんのうしゃ)

 

 客人神社、天王社、地主社、幸魂神社の4つのお社で「神の小径(こみち)」と、呼ばれているのだとか…

 

 この後、またツアーバスに乗り込んで、今度は美保関(みほのせき)に行きました。

 

 

 着いた場所は、美保関灯台…

 海に向かって建てられているこの鳥居には「沖之御前 地之御前」と記されています。

 

 どうやら、沖之御前(おきのごぜん)、 地之御前(ちのごぜん)とは、海上に浮かぶ、小さな島の事のようです。

 この二つの島は、事代主神が魚釣りをする島と伝えられていて、この場所はその遥拝所という訳です。

 

 

 これが灯台ですね。

 

 灯台の白が、真っ青な空と相まって、とても美しいです。

 さっきまで、どんよりとしていた天気が、まるで嘘のようです。

 

 さらに、沖の方へと歩いていきました。

 

 

 ここは、地蔵崎(じぞうがさき)

 

 ここから南側の方向を見渡せば、運が良ければ、海の先に大山まで見えるそうです。

 

 この後、昼食に、和食処「ふじな亭」のとっても美味しい「鯛めし」を頂きました。

 午後からも、出雲大社にゆかりがある神社を参拝します。

 

 旅は、まだまだこれから… とっても、楽しみです!!

 

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西日本紀行記 ~出雲・山口への旅~<1>プロローグ20.02.07

2020年2月7日(金)

 

 2月の立春も過ぎて、いよいよ「庚子」も始まりました。

 僕は、まるで何か沸き立つような、いてもたってもいられないような、気持ちの高揚感を感じています。

 この感覚は、あのパリに旅をした2012年以来ですね。

 

 去年一年の間、本当にあちこち、いろいろな場所を旅してきました。

 ブログを読んだ人の中には、「この人は、ずいぶん遊びまわっているなあ…」と思われている人もいるかも知れませんが、それもこれも、今年から始まる僕の人生の一大プロジェクトの為のもの…

 

 僕にとっては、おそらく今年の庚子ほどに、これからの一生の中で、ピンポイントで大運と年運のエネルギーが強くなるのは、二度とないですから、前もって準備をしていたつもりです。

 

 まあ、そんな事を偉そうに言っても、何も結果が出なかったら、意味がないですから、言葉ではなく、今年と来年の実際の自分自身の成果で、語りたいと思います。

    結局、2年間終わっても、何にも変わっていなかったりして(笑)

 

 庚子に入ったこれからは、極力、時間を無駄にしないようにして、全力で頑張ります!!

 

 さてさて、ずいぶんと時間差が出来てしまいましたが、今日から、去年の11月に西日本の中国地方に旅立った旅行記を、書き連ねていこうと思います。

 

 今回の西日本の旅の目的は、大きく2つありました。

 一つは出雲大社に参拝して、神在月の縁結び大祭に参加する事、そして、もう一つは、山口の五気調整術の水木杏香先生を訪ねて、山口の観光がてら、漢方や薬膳の見地からの「五行と人の健康法」についての教えを乞うという事です。

 

 出雲のある島根県と山口県は隣り合っていますから、今回の旅で、この2つの目的を同時に果たす事ができます。

 

 漢方や薬膳から見た五行の健康法を、水木先生にお聞きして、もっと深めたいと思ったのは、四柱推命講座・上級編の「健康運の見方」を、さらにブラッシュアップする必要があると、感じていたからです。

 この頃は常に、上級編の講座の準備に、追われっぱなしでした。

    まあ、今もそれは、大して変わらないのですが(^^;;

 

 出雲大社は、国津神の神の代表の神社でもあり、人と人の縁を結んでくださる神様と言われています。

 僕はまだ、生まれてこの方、一度も出雲大社に参拝した事がありません。

 

 もちろん「困った時の神頼み」の為ではありませんが、今の僕が目指している事は、おそらく、ある程度大きな志と器がなければ実現できない事だと思うし、その為にも、出雲の神様に、自分のありのままの気持ちで、決意を込めて、誓約しておきたいというのがありました。

 

 上級編に参加してくださっているKさんに、そんな事を話したら、出雲大社に参拝するのであれば、一緒に美保神社やその他の神社も参拝した方が良いですよ… とアドバイスをくれました。

 美保神社に参拝しないで、出雲大社だけに参拝するのは、片参りになってしまうとの事…

 

 とはいえ、美保神社も出雲神社も遠く離れていますし、車の運転ができない僕には、島根県でレンタカーを借りて、あちこちの神社を回るというような事はできません。

 

 すると、Kさんが、まさに僕にとって、この上なく素敵なツアーを紹介してくださったのです。

 

 それは「人生最高の開運を手に入れる方法」の著者でもある、藤尾美友先生の「神在月の出雲開運ツアー」でした。

 

 そして、今回のツアーに参加する為の条件も、Kさんが全部フォローしてくださって、心強い事に、Kさんと、そして同じく上級編を受講してくださっているYさんも、一緒に参加してくださる事になりました。

 

 という事で、安心して出雲開運ツアーに申し込んだのですが、能天気な僕は、出雲に行く交通手段を何一つ調べる事もなく、「まあ、前日ぐらいから、のんびりと出雲に出掛けて、現地でツアーに合流すればいいや…」ぐらいに考えていました。

 

 すると、藤尾先生からKさんを通じて、出雲大祭の時には交通機関がごった返すので、何も交通機関の予約をしていないのであれば、ツアーの飛行機で行った方がいいですよ… というアドバイスを頂き、行きの飛行機も申し込む事になったのです。

 

 今回は、11月9日から11月14日までの6日間の旅…

 

 

 大雑把に旅のスケジュールを言うと、まず、11月9日に米子空港に向けて出発し、そこから美保神社を始めとしたいくつかの神社に参拝します。

 そして、その翌日の10日に出雲大社に参拝し、さらにその翌日の11日に「出雲大社縁結大祭」に参加、その夜、電車で新山口に向かい、14日まで過ごすという予定です。

 

 ただし、いつもの僕の旅行のくせで、細かい事は何も決めていません(笑)

 

 という事で、迎えた9日当日の朝…

 

 搭乗する飛行機は、羽田空港発6:55離陸の国内線です。

 前日に「京都はんなり日記」を更新した後、旅行の準備を始めた事もあって、荷物を準備し終えると、当日の朝でした。

 

 結局、一睡もする事なく羽田空港に向かったのですが、新宿まで行った所で、自分がコートを着ていないという事に気づきました。

 この日の東京は、早朝にもかかわらず、比較的暖かかったこともあって、ボーッとしていたのですね。

 

 このままコートなしで、羽田空港へ向かう電車に乗ってしまおうかとも思ったのですが、出雲の神在月は相当に寒いと聞いていましたし、かといって途中でコートを買う時間の余裕もなさそうなので、思い切って、家にコートを取りに帰る事にしました。

 まあ、タクシーで飛ばせば、何とか飛行機のチェックインには間に合うだろうと思ったのですが、やはり甘かったです…

 

 また、例によって、パリに向かう飛行機に乗った時の、あの悪夢を思い出しました(笑)

(2013/2/26パリブログ 「あの日起こった奇跡」 参照)

 

 本当、僕は何回同じ事をやっても、懲りないですね。

 

 羽田空港の駅にかろうじて着いた時、僕の到着が遅い事を心配したYさんから、電話が掛かってきました。

 そして、すでに、飛行機のチェックインの搭乗手続きは、ほとんど済ませてあるとの事でした。

 

 空港のロビーに着くと、KさんとYさんが待っていてくださって、あとはスーツケースを預かり所に預けるだけで良いように、してくださっていました。

 

 国際便なら、チェックインにパスポートが必要な所ですが、国内便だからそれもなく、かなり時間に遅れてしまったのですが、無事に予定の飛行機に搭乗できる事となりました!!

 

 

 もしも、KさんとYさんがその場にいらっしゃらなかったら、完全にアウトでしたね。

 

 四柱推命講座の中でも、至らない事だらけで迷惑を掛けていますが、こんな所にまで来て、また迷惑を掛けてしまうとは、本当にどうしようもないダメ講師です。

 

 「昨夜は、一睡もしていない」という事を話したら、Kさんが窓際の席を譲ってくださって、飛行機の中でゆっくりと眠るように言われました。

 

 とはいえ、興奮が冷めきらなくて、とても眠れそうにありません(笑)

 

 それに、羽田から米子までは、驚くべき事に、たった1時間20分で着いてしまうのですね。

 

 

 飛行機の窓から見える富士山…

 

 これから一体、どんな素敵な旅が始まるのかと思うと、ワクワクして心臓が飛び出しそうです。

 

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出羽三山・生まれ変わりの旅 ~月山編~20.01.31

2020年1月31日(金)

 

 いよいよ今回で、この「出羽三山・生まれ変わりの旅」のお話も、最終話となります。

 

 四季の旅のツアー一行は、湯殿山、羽黒山と制覇して、残すは月山のみとなりました。

 

 昨夜、僕が一夜を明かした宿は、民宿でも旅館でもなく、「宿坊(しゅくぼう)」と呼ばれる宿泊施設…

 

 宿坊とは、お寺や神社が運営する宿泊施設とでも言ったら良いでしょうか。

 いわゆる参拝者の為の宿なので、通常の場合、旅館のような心地良さは望めないですし、他の参拝者と大部屋で一緒に泊まるような事もあります。

 

 でも、僕がお世話になった生田坊は、完全一人部屋でしたし、お世話してくださった宿のお坊さんも親切で、とても居心地の良い宿でした。

 

 とはいえ、僕が目覚ましを掛けて起きたのは、朝の4時半ですので、空はまだ暗くて、たくさんの星が出ていました。

 今日が晴天なのは、どうやら間違いなさそうです。

 

 四季の旅のツアーの参加者は、生田坊の玄関の前にAM4時40分に集合…

 

 昨夜の日本酒の酔いは、すっかり冷めているのですが、何せ羽黒山の石段2,446段が足腰に効いているし、何はともあれ、やっぱり眠いです(笑)

 

 マイクロバスに乗り、宿坊の宮田坊に泊まった参加者と合流して、一路、出羽三山の最高峰の山、月山へと向かいました。

 

 

 ついに、この時が来たか…

 

 何とも言えない感慨が、胸をよぎります。

 僕は3年前からずっと、この月山に登りたいと思っていたんです。

 

 出羽三山は、3つの山にそれぞれの良さがあって、どの山も本当に素晴らしいです。

 

 出羽三山を、時代劇によく出てくる、あきない問屋のキャラクターに例えるならば、羽黒山は、店の全てを任された「番頭さん」で、湯殿山は、艶っぽい「おかみさん」、そして月山が、あるじの「旦那様」といった所でしょうか。

 まあ、これは僕の勝手なイメージですが…

 

 やっぱり、出羽三山の主峰1,984mの月山は、出羽三山の主役といって良いと思います。

 

 四柱推命講座を受講してくださったKさんが貸してくださった、桜井識子さんが著した「神社仏閣は宝の山」の出羽三山巡りのくだりの部分を、僕はコピーして、カバンの中に忍ばせていました。

 そして、バスの中で改めて、それを読んでみました。

 

 ここには「湯殿山→羽黒山→月山という順番に登拝する事で、亡くなった知人とのコンタクトが取れた」という、不思議な体験談が載っていました。

 

 そして、この方法により、月山を登っている最中、その人とずっと会話ができた… とも、書いてありました。

 

 さらに「これと同じ手順をふめば、誰でもすぐそばに会いたい人が来てくれるが、存在がわかりにくい場合は『サインをちょうだい』とその人に言えば、何らかのサインがもらえる」とも…

 

 普通に考えれば、とても信じがたい話ですが、偶然にも今回のツアーの登拝の順はこの順番ですし、可能性があるのなら、試してみようと思いました。

 僕の母は、20年前に亡くなっていますが、可能だというのなら、久しぶりに話してみたいと思ったのです。

 

 でも、よく文章を読むと、「湯殿山や羽黒山に参拝バスや車道があっても、それを使わずに徒歩で登る」というのが、条件として書いてありました。

 

 という事は、前日に、湯殿山や羽黒山へマイクロバスを使って登ってしまった時点で、もう失格という事ですね(笑)

 

 とはいえ、湯殿山と羽黒山を、まともに下から徒歩で登っていたら、すでに体がもっていなかったと思います。

 羽黒山の階段をただ下りただけで、息が切れてしまっているくらいですから…

 

 まあ、今回はいさぎよく、あきらめるとしましょう。

 

 

 バスがたどり着いた場所は、月山八合目の駐車場…

    ここから下を見おろすと、足がすくみます…

 

 何と、八合目までは、乗り物で行けちゃうのですね。

 残り二合分を登るだけなら、そんな大変でもないのかな… と、一瞬、思ったのですが、昨日、わずか414mしかない羽黒山の階段を下っただけで、フラフラになってしまった事を思い出し、気を引き締めました。

 

 昨夜、ツアーコンダクターの北さんに、旅行の感想を聞かれ、「久しぶりに体を動かしたので、全身もうクタクタです」と答えたら、「羽黒山はまだまだ序の口です。本当にハードなのは、明日の月山登山ですよ」と言われたのを、思い出しました。

 

 どうやら、登山者の中にも、月山の登山途中で、あきらめて引き返す人も、いるらしいです。

 

 僕は、根性だけは自信があるのですが、それでも、これはたやすい道ではない事を、肌で感じました。

 

 北さんのアドバイスによると、登山に携帯する飲み物は、お茶でもコーヒーでもコーラでもなく、スポーツ飲料が一番良いそうです。

 理由は、カフェインが入っている飲み物はトイレが近くなる事と、スポーツ飲料は、ミネラル・ウォーターよりも急速に体全体に水分が行きわたって、渇きをいやしてくれるからだそうです。

 

 早速と思い、駐車場の所にある自動販売機で、アクエリアスを買おうとしたら、なんと500mlが300円でした!!

 

 とはいえ、ここでわずかなお金を惜しんでいる場合では、ありませんね。

 しっかりと買い込んで、ザックの中に入れました。

 

 出羽三山の過去・現在・未来の生まれ変わりの旅で言うと、月山は「過去」に当たります。

 昔ながらの登拝の順で言うと、まず「現在」の羽黒山に登ってから、「過去」を司る月山に登って、月山で大神の元で死後の世界の体験をし、最後に「未来」の湯殿山で未来の利益を頂くという順番です。

 

 そして、この月山の大神というのが何かというと、おそらくは、月山神社の主祭神である「月読命(ツクヨミノミコト)」という事になるんですね。

 

 

 月山八合目にある御田原神社(みたはらじんじゃ)、別名・月山中之宮(がっさんなかのみや)

 

 四季の旅のツアーの誰もが、完全な登山装備をしていますね。 

 

 この御田原神社の主祭神も、月山神社と同じく、月読命です。

 

 御田原神社の社殿は、頂上にある月山神社の二十年に一度の式年遷宮の時の古材を、そのまま用いて建てられています。

 それゆえに、月山の頂上にある月山神社に登拝する事ができない人は、この御田原神社を参拝する事で、本宮参拝と同様の御神徳にあやかる事ができると言われています。

 

 だから、御田原神社にだけ参拝して、Uターンして帰る人もいますし、確かにここで引き返せば、めちゃくちゃ楽なのですが、せっかくここまで来て、そういう訳には行きませんね(笑)

 

 

 この鳥居をくぐれば、はるか頂上の月山神社までの道が、ずっとつながっています。

 もちろん、それが決して楽な道ではない事は、容易に想像がつきます。

 

 僕はどうも、この月読命と不思議な縁があるらしく、今回の出羽三山ツアーを決めたきっかけになったのも、この月読命です。

 

 元々、本当に僕が、この月読命と縁があったかどうかなんて、正直わからないのですが、僕自身がこの月読命を意識し出してからというもの、不思議と僕の人生に、月読命が絡んでくるようになりました。

 

 そもそも、この月読命というのは何かというと、日本神話(古事記)に出てくる三貴神の一柱であり、三貴神とは、伊邪那岐(イザナギ)と伊邪那美(イザナミ)の夫婦神が生んだ3人の子供の事で、天照大御神(アマテラスオオミカミ)と月読命、そして素戔嗚尊(スサノオノミコト)の三柱の事を言います。

 神話にあまり興味がない人でも、天照大御神とか素戔嗚尊という名前は、何となく聞いた事があるのではないかと思います。

   あと、NARUTOの うちはイタチ を知っている人も(^^;;

 

 話は少しそれますが、日本全国に、神社というのは、どれくらいの数あるかというと、何と8万5千弱と言われています。

 この数は、日本全国にあるコンビニの数よりも多いです。

 

 確かに、日本は「八百万の神の国」と呼ばれるのも、うなづける気がします。

 

 この8万5千弱の神社の中で、天照大御神を祀っている神社は、13,582社であり、素戔嗚尊を祀っている神社は、13,542社で、ほぼ同数となっています。

 

 ところが、月読命を祀っている神社の数は、たったの704社しかないんです。

 

 古事記の中でも、天照大御神と素戔嗚尊は、ストーリーの中で縦横無尽の活躍をしていますが、月読命は、同じ三貴神の一柱でありながら、不自然なくらいに、ほとんど登場しません。

 だから、誰かが古事記を改変して、月読神の記述を消したのではないか… という説もあるくらいです。

 

 それに、月読命というのは、何の神様かも、あまり良く分かっていません。

 月に関係する神様である事は間違いはないのでしょうけど、黄泉の国を司るとも、水を司るとも、夜を司るとも言われ、「月を読む」という事から、暦の月日を数える… つまり暦や占いの神ではないかと言われる事もあり、何にしても、謎の多い神様です。

 

 そんな話を、一年前の暮れに、四柱推命講座・中級編の受講生でもあるNさんとしていて、その時から僕は、この月読命に、とても興味を持つようになったのでした。

 

 

 この像、何だか、オオサンショウウオのようにも見えるのですが(笑)、実は兎(うさぎ)です。

 

 この兎は「なで兎」と呼ばれていて、兎は月の精であり、古くからの月山神の使いであって、悪運から逃れる力があると、されています。

 そして、この兔、月山の頂上にある月山神社の方向を、見上げているんです。

 

 何でも、この「なで兎」をなでると、とってもご利益があるそうです。

 

 

 この日の月山は、雲一つない快晴でした。

 

 正直、こんな風に快晴になるのは非常に珍しい事で、月山の天気というのは、十日の内に1回晴れる事があれば、良い方だと言われています。

 ある人は、過去に月山を5回ほど登った事があるそうですが、必ず雨か曇りかのどっちかだったそうで、月山と言えば、濃霧の山というイメージが、つきまとっているそうです。

 

 暦を見たら、この日9月8日は、「天赦日(てんしゃにち)」という、新しい事を始めるには良いとされる日で、さらに「一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)」という、この日に始めた事が何万倍にもなると言われる吉日も重なり、その上「神吉日(かみよしにち)」と呼ばれる参拝に最良の吉日まで、重なっていました。

 別に僕は、暦を気にして、この日を選んだ訳でもないし、普段、この種の暦に振り回される事もないのですが、あまりにも縁起が良い日が重なって、ちょっぴり嬉しくなりました。

 

 ただ、一つだけ心配だったのは、この日、台風15号が関東地方の南側にあって、この進路だと、夕方あたりに関東に上陸するのではないかと言われていた事です。

 もしかすると、今、出羽三山が快晴なのは、この台風15号の反動によるものかも知れません。

 

 

 さて、それではいよいよ、登り始めます。

 千里の道も、一歩からですね。

 

 今回、この月山登山にも、地元の山伏さんが「先達(せんだつ)」と呼ばれる先導役となって、我々を山頂へと導いてくれます。

 先達さんの後ろには、今回の四季の旅のツアーの参加者31名と添乗員の2名が続いているので、かなり長い列となっています。

 

 僕は、だいたい列の真ん中ぐらいにいたのですが、それでもこの場所から、先達さんの姿をとらえる事は、できません。

 

 

 下を見ると、すがすがしい景色… とはいえ、高所恐怖症の僕は、足がガクガクしてきます(笑)

 

 これ、もし足を踏み外したら、一巻の終わりです。

 僕は、極力、下を見ないようにしていました。

 

 昨日の疲れが残っているせいもあってか、足はつらいし、少し息も上がっています。

 まだ、登ったばかりだというのに、先が思いやられますね。

 

 

 照り付ける太陽の日差しが、結構きついです。

 月山は、普通だったら、濃霧に包まれているような山なので、こんな風に天気が快晴である事に、本当なら感謝しなければいけないのですが…

 

 正直な感想をいうと、かなり暑いです(笑)

 山は標高が高くなればなるほど、気温が下がるので、ザックの中には、携帯用のダウンジャケットも折りたたんで、入れてあるのですが、それを使う事があるのだろうかとさえ、思うようになりました。

 

 ザックの中に入っていた300円のアクエリアスは、この時点で、もう飲み干してしまいました。

 

 

 月山の登山道というのは、決して、楽ではありません。

 こんな風に、石ころだらけのでこぼこ道も、ざらにあります。

 

 今日の登山の装備は、元々、白山に登ろうとして用意した、少し値段が高い頑丈な登山靴と機能性が良いザック、そして、緑色のトレッキングポール(かなり稀少)

 

 登山装備は完璧だったのですが、服装に関しては、かなり準備不足で、厚手のスウェットにGパンでした。

 

 特にGパンは失敗でしたね。

 すっかり汗を吸ってしまって、重くなって気持ち悪いです。

 このびしょびしょの状態で、山頂に行って気温が低くなったら、風邪をひいてしまいますし、冷えようによっては生命にも危険です。

 

 ただ、登山靴は頑強なものをはいていて、本当に良かったと思っています。靴底が丈夫で、こんな石の上を歩いても、足に響かないんですね。やわな靴だったら、石の上を歩くたびに相当な疲労感が残ります。

 もしも、スニーカーで来ようものなら、おそらく完全にアウトですね。

 

 一体、どれくらいまで、登ったのだろう…

 

 そればかりが、気になります。

 暑さと疲労で、みんな無口になって、ただ黙々と前に歩みを進めています。

 

 

 やっと… やっと九合目…

 まだ、頂上までの半分しか登っていなかったのですね。

 

 ここは、九合目にある、仏生池小屋(ぶっしょういけごや)です。

 

 そして、仏性池小屋の前には、この真名井神社(まないじんじゃ)が、祀られています。御祭神は、伊勢神宮・外宮の御祭神と同じ豊受大御神(とようけのおおみかみ)

 天橋立にある元伊勢の籠神社(このじんじゃ)の奥宮が、真名井神社であり、なぜか、出雲にも真名井という地名がありますが、この場所に真名井神社があるのも、とても意味深です。

 

 仏性池小屋は、月山九合目の休憩所であり、宿泊施設にもなっていて、コーヒーに甘酒、ぜんざいにソフトクリームに、山菜ラーメンやカレーライスまで、各種軽食もできます。

 

 四季の旅ツアー一行は、ここで50分の休憩を取る事になりました。

 

 正直、体がもう動かないほどにクタクタです。

 これは確かに、前日の羽黒山の階段下りの比ではありません。

 

 でも、まだ半分も登っていない…

 

 僕は2,702mの標高のある白山に、たった一人で登ろうとしていた愚かさを、猛反省しました。

 白山の3分の2の標高の1,984mの月山の8合目から9合目まで、たった一合分しか登っていないのに、この状態なのです。

 

 僕の無謀を制して、白山登山を止めてくださった、四柱推命講座・上級編の受講生の皆さんに、心から感謝しました。

 もしも、白山に出掛けて、そのまま一人で山に登っていたら、間違いなく遭難していました。

 

 この時、もう白山登山などというバカな事を考えるのはやめようと、心の底から思いました。

 

 しばらくの間、放心状態で見動きさえできなかったのですが、やっと正気を取り直して、小屋でコーンスープを飲みました。

 

 本当はソフトクリームが食べたかったのですが、下手なものを食べて、下痢になったら元も子もないので、自重しました。

 

 約50分の休憩が終わって、いくらか体力も戻った感じはしました。

 でも、頂上まで、さっき登ってきた分と同じ距離があるのかと思うと、やっぱり気が重いです。

 

 しかも、この先には、月山登山の一番の難所「行者返し」という急斜面の崖を越えなければいけないと言うではありませんか…

 

 とはいえ、ここで引く訳にはいきません。

 臆病になる自分を奮い立たせる為に、わざと勢いよく立ち上がりました。

 

 再び、山道を黙々と登っていきます…

 

 九合目だから、そろそろ涼しくなってくるかと思いきや、全くそんな事はなくて、暑くて暑くて死にそうです。

 実際の気温が高いのと、体をフルに動かしている事が相乗効果になっているのでしょうが、いつも寒がり屋の僕が言うのですから、相当な暑さです。

 あまりに暑くて、スウェットの中が汗でぐしゃぐしゃなので、脱いでTシャツ1枚になりました。

 

 そして、迎えた月山登山一番の難所・行者返し…

 山道に慣れた行者でさえも、手がつけられない崖道だと言います。

 

 確かに…

 

 足元さえ本当にわずかな道幅しかなくて、油断したら、奈落の底へまっしぐらです。

 

 写真を撮っておきたいとも思ったのですが、下手に姿勢を崩したら、本当に事故にもつながりかねないと思い、あきらめました。

 

 しかも、もしも僕が足を踏み外して落ちたら、僕一人だけではすまなくて、僕よりも下にいる人を全員まきぞえにしてしまいます。

 とにかく、慎重に足を乗せる所を選んで、できる限り四つん這いになって、少しずつ前に進みました。

 

 でも、怖いのは僕だけでなくて、みんな同じ…

 みんなで励まし合いながら、前に進んでいきました。

 

 こういう時に、たった一人で登るのと、仲間と一緒に登るのとでは、心の余裕が違ってきますね。

 

 不意に下を見たら、目がくらんでしまいますし、僕一人だったら、まず100%この行者返しを登りきる事はできなかったと思います。

 

 

 行者返しを登った所にある、来名戸神社(くなどじんじゃ)

 

 この神社は道祖神の一つとされていて、「来名戸」とは「来な処」であり、「来てはならない所」の意味を持っていて、道の分岐点とか、峠なんかで、外からの悪霊の侵入をふせぐための神様だそうです。

 

 とはいえ、狭い所なので、立ち止まっていると後ろの人が前に進めません。

 写真だけ撮らせて頂いて、参拝もせずに、そのまま前に進みました。

 

 

 行者返しを越えると、にわかに、視界が開けてきた気がしました。

 今、ものすごい場所にいる気がします。

 

 それに、鈍感な僕でも、何となく感じるのは、さっきまでの土地の気と、まるで違った空間にいるという事です。

 うまく言えないのですが、現実の世界とちょっと違う感じがするのです。

 

 先達さんも、僕らがフラフラになっているのを察して、休憩を多めに取りながら、わざとゆっくり目に歩いてくださいました。

 

 

 先達さんと2ショットです(^^)

 

 日頃、外に出ていなくて真っ白だった肌が、真っ赤に焼けていたので、「すっかり、日に焼けましたねえ」と言われました。

 

 体はクタクタなのに、心はすごく充実していて、幸せいっぱいな気分です。

 不思議なもんだなあ… と思いました。

 

 ものすごく清涼な空気に満ちているというか、磁場みたいなものが、明らかに下の世界と違っているんですね。

 生まれ変わりの旅の伝承では、月山は「過去」の世界で、死後の世界の体験する所とされていますが、まんざら、ただの荒唐無稽な作り話でもないような気がしてきました。

 

 

 すぐそこは、切りたった崖っぷち…

 

 昔の僕だったら、足がすくんで身動きが取れなくなったと思いますが、なぜか、そんなに怖く感じませんでした。

 

 ふと、行きのバスの中で読んだ「月山の登山中に、会いたかった故人と会話をした」という体験談の事を思い出しました。

 

 確かに、この場所なら、そういう不思議な体験も、できるかも知れない…

 

 僕も、母の気配をここで感じられるかどうかを試してみたのですが、やっぱり、よくわかりませんでした。

 

 だいたい、僕にそこまでの能力はないですし、昨日、湯殿山と羽黒山を徒歩で登っていない時点で、ダメなのかも知れませんが、駄目元と思い「わかるサインをちょうだい」と、心の中でつぶやいておきました。

 

 

 体力的には、もう限界を超えて、息はすっかり上がってしまっています。

 

 だから、余計に思考がわいてこないのもあるのですが、自分自身がすごく澄み切った精神状態になっているのに気づかされます。

 

 昔だったら、こんな崖を目の前にしたら、パニックになって、一歩も動けなくなっていたはずです(笑)

 

 すぐ近くで、誰かが写真をバシバシ撮っている音が、聞こえてきます。

 大体30秒に一回ぐらいの割で、携帯カメラのシャッター音が聞こえるので、一体そんなに何を取っているのだろうと思いつつも、後ろを振り返る力も残っていないまま、ただ歩みを進めました。

 

 いつまでたっても、どこまで進んでも、一向に頂上が見えてきません。

 

 そのままフラフラの状態で、しばらく歩みを進めた時、列の前の方の人達から、歓声が上がりました。

 

 

 思わず、前を見上げると、そこには月山の頂上と、月山神社の建物が見えました!!

 

 とはいえ、あそこまでの距離は、相当ありそうです。

 目標は見えたものの、まだまだ先は長いです。

 

 さっきから、ずっとカメラのシャッター音が続いているので、何か変だなあと思い、後ろを振り返ってみると、別に後ろの人は写真を撮っていなくて、僕のズボンのポケットに入っていた携帯カメラが誤動作して、30秒おきにシャッターが切られていたのでした。

 

 後ろの人から笑顔で「さっきから、ずっと、一体何を撮影されているのかと思っていましたよ」と言われました。

 

 ちょっぴり、恥ずかしくなりました。

 

 

 やっと、あともう少しで頂上…

 いよいよ最後の坂を登ります。

 

 先達さんの号令で、ゆっくりと休憩を取りながら、坂を少しずつ上がっていきます。

 

 坂の途中で休憩に入った時、携帯のカメラが何を写していたのか、見てみました。

 

 シャッターが切られていた30枚の画像の内17枚は、山の景色ではなく、何とも言えない、きれいな模様が映っていました。

 ちょうど、キラキラ画像の壁紙みたいな感じに、ローズ系の真珠色をした丸い円の形が大小重なって、幻想的で不思議な画像になっていました。

 

 そして、残りの13枚は真っ黒な画像でした。

 

 最初の方は、キラキラ画像が連続で写っていて、その後に2枚、すごく明るく光っている画像があって、その後は、光が急に暗くなって、真っ黒な写真になっていました。

 

 普通、カメラの誤動作でシャッターが切られたなら、レンズの前にある意味のない何かがうつっているか、光が入らなくて真っ黒な写真になっているかのどちらかだと思うのですが、どうして、こんなきれいな模様の写真がうつっていたのか、全く謎です。

 

 もしかしたら、母が、今住んでいる天国の世界を僕に伝えて、安心させようとしたのかも知れない…

 

 まあ、単なる携帯カメラの誤動作かも知れませんけど、このあたりの空間は、多少おかしな事が起こっても、それが当たり前のように思えてくる不思議な境界です。

 

 

 そして、やっとの事で、月山頂上・月山神社に到着しました!!

 

 月山神社の中は、撮影禁止なので、写真でお伝えできないのですが、凛と澄み切った空間になっていました。

 

 まずはお祓いを受けて、その後に本殿を参拝しました。

 

 ただただ、感無量でした。

 

 しばし境内を回っていると、神職の方から、「こんなに雲一つないほどに、晴れ渡っている日は、一年の内で1日あったら良い方です」と言われました。

 

 山頂の状態がこんな風になっているのは、相当に珍しいようで、普段は、常に雲が立ち込めていて、雨が降ったりやんだりしているそうです。

 

 なぜか神職の方が、僕の方をじっと見られて「きっと、これは、ここにいらっしゃる方の心が澄み切っているからに違いありません」とおっしゃってくださった時には、何だか照れくさい気持ちになりました。

 

 本当に不思議なのですが、行者返しを越えたあたりから、全く雑念がわいてこないのです。

 

 普段の僕は、決してそうではありません。

 

 いつも雑念ばかりで、くだらない事ばかり考えているのですが、どういう訳かそのいつもの雑念が本当に一つも沸いてこない…

 

 神職の方は「この月山の九合目より上は、月山神社のご神域ですから、地上とは気が全く違います」とおっしゃられました。

 

 確かにそれは間違いないと、確信しました。

 

 ツアーでの団体行動ですから、境内にいられる時間も限られていますし、そんなにゆっくりとはできません。

 

 おりしもそんな中、神社の中で、塔婆(とうば)供養の申し込みができる場所を、偶然に見つけました。

 

 さすがに時間的に無理かなと思っていたら、タイミング良く、すぐにその場で供養をして頂けるという事になり、慌てて、亡くなった母の塔婆供養を申し込む事にしました。

 

 申込書に供養する人の戒名を記入する所があって、いつもだったら、メモを見なければ思い出せなかった母の戒名が、この時は、メモも見ずに、さらっと書けました。

 

 神職の方が、その場で1mくらいある塔婆の木札に、母の戒名を書いてくださって、3名の神職の方が声を合わせて、みんなで供養してくださいました。

 

 月山神社の境内は本当に狭いです。

 でもそこは、広大な愛に包まれた空間とでも、言ったら良いでしょうか…

 

 大げさに話しているつもりはありませんが、地上の世界とは、明らかに違う波動があります。

 

 ありがたいなあ… という、ただただ感謝の気持ちがこみ上げてきて、涙が出そうになりました。

 

 四季の旅ツアーのメンバーは、月山山頂にある休憩所で、持ってきたお弁当を食べる予定になっていたのですが、僕は、塔婆供養をやった関係で、すっかりお弁当を食べる時間がなくなってしまいました。

 

 仕方ないので、歩きながら、お弁当のいなり寿司を飲み込むようにして、急いで食事を終わらせました。

 

 これからまだ、山を下って行かなければなりません。

 

 月山神社を後にして、少し離れた場所から、もう一度、山を振り返ってみました。

 

 

 さようなら、月山神社…

 さようなら、月読命…

 

「ずっと、これからもそばにいて見守っているから、さよならじゃないよ」

 

 不意に、そんな風に言われたような気がしました。

 

 羽黒山の出羽三山神社や湯殿山神社は、乗り物を利用すれば、山を登る事なく参拝できますが、月山神社に参拝しようと思ったら、必然的にこのハードな山道を登らなければなりません。

 地上にある神社のように、誰もが気軽に参拝できる神社ではなく、体力や気力がない人には、参拝する事さえ叶わない…

 

 だからこそ、その困難を乗り越えて登拝した人には、やっぱり、それだけのものは、与えられる…

 これが、月山のパワーであり、この事が、月読神の懐(ふところ)の中に入るという事なのかも知れません。

 

 さあ、これからが、いよいよ下山です。

 

 山を登る時よりも、下る時の方がキツいし、怖いですね。

 

 うっかりすると、下りるスピードに勢いがついてしまって、本当に山から転げ落ちる事になるので、慎重に慎重に足元を見ながら下りました。

 

 予定では、帰りは、登った時の道とはまた別の道で、月山リフトの「上駅」を目指し、その後、リフトを使って「下駅」まで下りていきます。

 

 

 これは「令和の鐘」… そばに、置かれているハンマーで鳴らす事ができます。

 去年の令和元年スタートの5月に、この場所に作られました。

 

 登山口と反対方向に下りていますが、もう、月山の九合目よりも下にいます。

 

 そして、ここが月山リフトの「上駅」でした。

 

 

 もうここからは、歩かずに済みます。

 みんな、歓声を上げていました!!

 

 僕は、スキーをやった事ないので、リフトに乗った事が全くありません。

 

 この動いているリフトに、瞬間的に腰かけて乗らなければいけないのか… と思うと、いつもの高所恐怖症が出て、とたんに怖くなりました。

 

 万が一、うまく腰掛けられなくて、下に振り落とされたらどうしよう… とか、背中から次のリフトのイスがぶつかってきて、そのまま奈落の先まで落ちたならどうしようとか… いろいろと考えたら、生きている心地がしませんでした(笑)

 

 月山頂上では、何一つ雑念がわいてこなかったし、高い所から下を見ても、不思議とそんなに動揺しなかったのですが、ここはもう下界…

 いつもの臆病な自分が出てきて、体が震えて、硬直しています。

 

 リフトの係の人に「とにかく初めてで怖いです」と打ち明けると、「ゆっくりリフトは動いていますから、大丈夫ですよ」と励まされました。

 

 僕にとっては、このリフトのスピードは全然ゆっくりではなくて、こんな怖いものに乗るくらいなら、徒歩で下山した方がまだいい… というのが本音でしたが、後に人がつかえているので、リフトの係の人に背中を押してもらって、何とか無事に、リフトに腰かける事ができました。

 

 ああ、怖かったです…

 

 

 こうやってリフトに乗っている時も、怖いので、ほとんど目をつむっていましたね。

 勇気を出して撮影した写真は、この1枚ぐらいです。

 

 月山リフトの「下駅」に着くと、今度は、そこでリフトを降りるのですが、それもまた怖い…

 リフトから降りたはいいが、次のリフトのイスが後頭部からぶつかってきたらどうしようとか… このままリフトから降り損ねて、また山の上まで運ばれたらどうしようとか… いろいろな不安の雑念が頭の中をよぎりましたが、ちゃんと無事にリフトを降りる事ができました。

 

 月山リフト「下駅」で、昔 懐かしい、中に玉が入っている瓶で、ラムネ(サイダー)を飲みました。

 

 その後、マイクロバスに乗り、この近くにある西川町の水沢温泉に入って、体中の汗を流して、そこで、たくさんおみやげを買い込みました。

 

 

 

 「登拝認定証」も、ちゃんと頂きました(^^)

 

 いよいよ、旅も終わり…

 ここからマイクロバスで、東京へと戻ります。

 

 実はこの時、関東地方では、台風15号が接近していて、暴風域に入っていて、バスが東京に近づくと、雨が激しく窓をたたきました。

 

 ところが新宿に到着した時は、意外にも雨は止んでいて、傘をさす事もなく、すんなりと家に帰りつく事が出来ました。

 そして、家に帰り着くと、肉体の限界で倒れ込むように、布団の上で意識を失ってしまいました。

 

 出羽三山・生まれ変わりの旅を終えて、確かに何かが変わったような気がします。

 

 旅から戻って2日ぐらいは全身が筋肉痛で、顔と二の腕は、日焼けでこんがりと小麦色になって、皮膚がビリビリしていたのですが、それもやがて、おさまってきました。

 

 湯殿山、羽黒山、そしてこの月山を巡って、自分自身が、大きく一回り成長させて頂けた事を、ものすごく実感します。

 そして、体中がずっと、すがすがしい気分に満ちあふれているのを感じます。

 

 (「出羽三山・生まれ変わりの旅」終わり)

 

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出羽三山・生まれ変わりの旅 ~羽黒山編~20.01.20

2020年1月20日(月)

 

 毎日、喧騒に追われながら、ふと、あの出羽三山に登った時の事を思い出すと、なぜか、うんと遠い昔の出来事のように感じます。

 

 出羽三山に登ったのは、9月の初旬… あれからまだ、4ヶ月位しか経っていないのですね。

 あの2日間は、まるで真夏のように暑かったのを、覚えています。

 

 最初に登拝した湯殿山神社で、心地良い神秘的な体験をして、いよいよ我々を乗せたバスは、羽黒山にある出羽三山神社へと向かいました。

 

 この神社は、出羽三山の三社の代表のような場所…

 

 出羽三山神社には三神合祭殿があって、ここに参拝しただけで、羽黒山、月山、湯殿山の三ヶ所の神様全ての参拝をした事になるという、昔からの習わしになっています。

 

 だから、時間的にまたは体力的に、1つの山にしか行けないという人は、この羽黒山だけに登って三神合祭殿に参拝する事により、羽黒山、月山、湯殿山の三山全ての神様にご挨拶をしたという事になるんですね。

 

 羽黒山の標高は414m…

 月山(1,984m)や湯殿山(1,504m)に比べると、割と低い山で、山の入り口は、鶴岡市羽黒町という商店や宿坊が立ち並ぶ小さな街になっています。

 

 まさに羽黒山は、出羽三山の玄関口という言葉が似合います。

 

 

 月山と湯殿山は隣り同士の山ですが、羽黒山は、この2つの山から、かなり離れています。

 

 湯殿山を登ったのなら、次は、すぐ隣にある月山に登った方が効率が良さそうですが、何で、湯殿山の次に、わざわざ離れた所にある羽黒山に登るのかというと、理由は簡単です。

 

 月山と湯殿山を、たった1日で登って下りてくる事が、ものすごく大変だからです。

 湯殿山の後、月山に登ったまではいいですが、もしも1,984mの下山途中に日が暮れてしまったら、それ以上、下りたくても下りられませんから…

 

 そんなこんなで、四季の旅の一行は、2つ目の目的地である、羽黒山の出羽三山神社へと到着しました!!

 

 

 生まれ変わりの旅の過去・現在・未来で言うと、羽黒山は「現在」に当たり、今現在における現世利益を祈る場所との事…

 

 古来からの順番だと、3つの山で真っ先に登拝する山が、この羽黒山になります。

 人は誰しも、今の自分が幸せでなければ、気力がわいてきませんし、人に幸せを分け与える事もできませんから…

 

 鳥居の上の所には「出羽(いでは)神社 月山神社 湯殿山神社」と3つの神社の名が記されていました。

 この3つの神社を総称した神社が、出羽三山神社です。

 

 出羽三山神社の石段は2,446段あって、この数は、日本全国の神社の中でダントツ第1位です。

 石段の数で有名な四国香川にある金毘羅(こんぴら)様が、第2位の1,368段ですが、出羽三山神社の石段の数は、その倍です。

 それを登るのは、かなり大変だろうな… と覚悟していたのですが、今回、反対側の山の入り口から、バスで山頂に上がってしまった為、結局、石段を一段も登らずに済んだのでした。

 

 出羽三山を制覇するのは、体力的に相当キツいと、以前からみんなに聞かされていたのですが、正直いって、拍子抜けした気分でした。

 結局の所、バスに乗ったまま山の上まで行けてしまいますから、白い作務衣を羽織って、いかにもという格好をしていますが、実際には、登山らしい登山はしていません。

 まあ、僕的には、それで一向に構わないのですが(笑)

 

 2ヶ月前の7月に計画していた白山登山(結局、断念した)の為に準備した、ザックや、トレッキングポールなどの本格的なフル登山装備を、今回、持ってきていたのですが、必要なかったのかも知れない… とさえ、思うようになりました。

 

 

 ここが、出羽三山神社の参集殿…

 ツアーの31名は、ここに上がって、昇殿参拝をする事になりました。 

 

 参拝までの待ち時間、千佛堂(せんぶつどう)で、250体の仏像を拝観したのですが、それはもう圧巻でした。

 

 さあ、いよいよ昇殿参拝です。

 

 三神合祭殿で行う予定の昇殿参拝は、元々空いていた部屋の一つが、使用できなくなってしまった関係で、四国の高知県からいらっしゃった団体さんと、同じ部屋で一緒に御祈祷を受ける事となりました。

 

 その団体さんが申し込んでいた祈祷が、何と一座20万円の「太々神楽(だいだいかぐら)祈祷」という超特別な御祈祷…

 運が良い事に、我々もその末座に座らせて頂いて、ちゃっかりと、太々神楽祈祷を受けさせて頂けました。

 

 鈴がついた棒で、頭の上から少し痛い位にこすりつけられて、時間を掛けて、しっかりお祓いをして頂いたり、見事な神楽の舞を、目の前で鑑賞させて頂いたりと、生まれて初めて体験する清々しくて贅沢な御祈祷に、涙が出るくらい感激しました。

 

 受けた後、まるでデトックスをしたように、体がうんと軽くなりました。

 かなり悪いものが取れたのではないか、という気がしますね。

 

 

 この羽黒山では、何と、現地の本物の山伏さんが案内してくださいます。

    しかも、写真掲載OKとの事、本当にありがとうございますm(_)m

 

 羽黒山を登るコースとしては、商店や宿坊が立ち並ぶ町とつながっている随身門から、山に入っていくルートが一般的です。

 まずは国宝・羽黒山五重塔に向かい、その後、そこから2,446段という数の石段を、えっちらおっちらと、山頂を目指して上っていくのですが、かなりキツいと聞いていました。

 

 今回のツアーは、最初にバスで山頂脇まで行ってしまい、本殿を参拝して、帰りはその2,446段の石段を使って、下に下りてくるというプラン…

 

 同じ2,446段とはいえ、上りではなく下りならば、かなり楽に違いないと、この時、そう思っていました。

 

 

 こちらが、三神合祭殿の正面です。

 御朱印はここで頂けるのですが、僕は御朱印を集めていないので、外をぶらぶらしていました。

 

 すると、山伏さんが、すぐ近くの鏡池という池に、案内してくださいました。

 

 

 緑に包まれたこの池がこそが、鏡池…

 この池には、古来より多くの人々により奉納された銅鏡が沈んでいる事から、そう呼ばれています。

 

 何とこの池は不思議な事に、年間を通して、ほとんど水位が変わらないのだとか…

 そして、この鏡池こそが、この羽黒山・出羽神社の御神体なのだそうです。

 

 

 この龍の形をした石碑は、昇龍降龍像と言うそうです。

 

 やけに新しい石碑だなあ… と思っていたら、これが建てられたのは2018年11月23日で、つい最近の事のようです。

 

 

 三神合祭殿の隣りにあるこの神社は、蜂子神社(はちこじんじゃ)…

 

 出羽三山を開いた蜂子皇子(別名:能除仙(のうじょせん)については、前回のブログでも書きましたが、崇峻天皇の皇子であり、蘇我馬子の追手から逃れる為に、八咫烏(やたがらす)に導かれて、この出羽三山にたどり着いた人です。

 

 この神社は、江戸時代の元和5年(1619年)に、蜂子皇子の尊像を祀ったのが始まりとされています。

 

 

 これは、蜂子神社の隣にある羽黒山厳島神社…

 

 広島の厳島神社の御祭神と同じく、宗像三神と呼ばれる、多紀理比売神(たぎりつひめがみ)、市寸島比売神(いちきしまひめがみ)、多岐津比売神(たぎつひめがみ)それに、津速魂神(つはやむすぎのかみ)が、御祭神です。

 

 

 山伏さんが、2,446段の石段の入り口まで、見送ってくださいました。

 そして、ほら貝を吹いて、我々の道中の無事を祈ってくださいました。

 

 よく、お寺の御祈祷なんかでも、お坊さんがほら貝を吹く事があったりしますが、余程に熟練した人でないと、ほら貝というのは、うまく吹けません。

 階段を下りていく僕らを見送りながら、山伏さんは、ずっとほら貝を吹き続けてくれたのですが、本当に見事で、うっとりする音色でした。

 

 

 さあ、ここからが2,446段のスタートです。

 

 上りではなく、下りだから、こんな階段なんて大した事はないはず… そう侮っていたのですが…

 

 ツアーコンダクターの北さんが、階段を下りる際の楽しみ方を教えてくださいました。

 

 

 それは、この石段にある、ひょうたんやら盃やらの絵を彫られている石を見つける事…

 どうやら、こんな絵が33個あるのだそうです。

 

 言い伝えでは、その内の18個見つけると、自分の願い事が叶い、もしも33個全部を見つられると、どんな願い事でも全て叶うとの事…

 

 

 あっ、ここにもありました!!

 

 僕も最初は、息まいて挑戦してみたのですが、残念ながら見つけられたのは、10個ぐらいでした。

 

 正直に言いますと、ある程度、階段を下りていると、足がヘトヘトになって、息が切れてしまって、絵を探す所ではなくなってしまったのです(苦笑)

 

 2,446段、下りだからといって、侮れないです。

 

 

 とはいえ、階段を下りながら、そこから見える山の自然豊かな景色は、格別です。

 

 体はクタクタ、汗はダクダクですが、空気はめちゃくちゃ美味しい…

 

 

 途中にあった「芭蕉塚」…

 

 こんな名前だから、まさか、こんな場所で、松井芭蕉が亡くなったなんて事は… と真面目に考えてしまったのですが、そんな訳ありませんね。

    松尾芭蕉は、大阪の御堂筋で亡くなっています…

 

 

 この芭蕉塚は「三日月塚」と呼ばれ、1769年(明和6年)に、芭蕉を偲んで建立されたものだそうです。

 

 

 涼しさや ほの三か月の 羽黒山

 (涼しいな、ボンヤリと三日月が照らす羽黒山…)

 

 

 松尾芭蕉が、ここ羽黒山で読んだ句です。

 だから、三日月塚なのですね。

 

 

 三日月塚を後にして、ふと正面の空を見ると、夕日が出ています。

 

 この分だと、急いで階段を下りないと、真っ暗になってしまいますね。

 

 

 石段の途中にあった「火石」…

 苔に覆われています。

 

 一体これは何だろう… と、よく見てみたのですが、わかりませんでした。

 その昔、この石は夜になると光りを放ち、参道を照らしていたとの事で、ふもとがまだ浜だった頃には、漁師が灯台の代わりに、この火石を頼りにしたそうです。

 

 そんな馬鹿な事がある訳ないと思いつつ、どちらにしても「水の従旺格にするんだから、別に命式に火なんて欲しくないし、ここはスルーしよう…」と、意味不明な事を考えながら、石段を下っていきました(笑)

 

 

 さらに階段を降りると、ありました!!

 羽黒山で最も有名な建築物と言えば、おそらく、この国宝・五重塔でしょう。

 

 早速、近づいて行く事に…

 

 

 この五重塔は、東北地方で最古の塔と言われ、平安時代に、平将門が創建したと伝えられています。

 

 写真ではわかりにくいのですが、下からライトアップされていて、とても幻想的でした。

 

 

 これは、五重塔のすぐそばにある「爺杉(じじすぎ)」と呼ばれる巨木の杉です。

 

 昔は隣に婆杉(ばばすぎ)も存在したようなのですが、1902年の台風で失われてしまったとの事…

「婆杉が倒れた時、爺杉は、三日三晩泣き続けた」と、現在に語り継がれています。

 

 

 やっと、目的地の随身門に到着しました!!

 

 もう、体中クタクタで、歩く気力もありません(笑)

 

 この後、バスに乗って、宿坊の宮田坊に向かい、そこで旅の仲間と一緒に夕食を取りました。

 

 

 夕食は、超豪華な精進料理…

 

 よく見ると、肉も魚も一切入っていません。

 それでも、めちゃくちゃ美味しかったです!!

 

 

 そして、御神酒の升酒…

 初めて会った、ツアーの仲間と一緒に楽しく語らい合いながら、飲みかわしました。

 

 すごく美味しい地酒で、例によって、羽目を外し過ぎて、かなり飲み過ぎてしまいました。

 

 宿泊は、ここから少し離れた所にある、生田坊のお風呂付きの一人部屋…

 

 

 日頃から運動不足だった事もあってか、2,446段の階段を下りただけで、体中クタクタになってしまいました。

 その上に、お酒が入って、本当はすぐにでも眠ってしまいたかったのですが、最後の力を振り絞って、お風呂に入り、さらに写真をインスタでアップしました。

 

 時間はPM9:00ぐらいなのですけど、明朝はAM4:00起きです。

 

 ぐっすりと休んで、明日の月山神社登拝に備える事にしました。

 

  (「月山編」に続く…)

 

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